イベント参加者の満足度を上げる座席レイアウト
先日、a.schoolという学習塾の『子どもの学びを生み出すシカケ 学びが生まれる場のデザイン編』というイベントに行ってきました。
このイベントは、ワークショップ研究で著名な安斎勇樹先生を招き、「学びが生まれる場のデザイン」について講演して頂くというもので、講演の終わりに先生を参加者が囲んで対話を行うという時間がありました。
この対話を行うための手法が勉強になったのでメモっておこうと思います。
手法の紹介の前に、本稿のタイトルにある「イベント参加満足度を上げる」という点について、前置きさせて下さい。
(※なお、ここで言うイベントは主にワークショップ、講演、セミナー等を指します)
私はこれまで色んなイベントやセミナーに参加してきましたが、イベント終了後の懇親会、名刺交換会になると、早い者勝ちで一番最初にゲスト、登壇者をつかまえた人が、ずっと話しているのを待ったり、声の大きい人がずっとしゃべり続けるのを聞くというの状況が嫌で嫌でたまりません。
その結果、イベント中に質問タイムがあると必ずここで質問するようになったのは良き副産物です。
※このあたりのイベント不満足については、よろしければ以下のブログをご参考下さい。
*『カイジで考える「イベントリテラシー」』
*『東京ブロガーミートアップに参加してきたよ。』
*『ライブエンタメとしてのトークセッションと記録方法』
ただ、質問タイムで大勢の人が手を上げていたら自分が当てられる確率は低くなります。
質問で当てられなければ地獄の名刺交換待ちタイムや、ゲストをいち早くつかまえた人が話し終えるのを待つタイムに耐えねばなりません。
で、今回参加した『子どもの学びを生み出すシカケ』では、こうした“参加者がゲストに質問したり交流したりするチャンスを増やす”工夫があったので、そちらを紹介したいと思います。
■1つの空席が生む場の流動性
まず、以下の図をご覧ください。
ゲストを参加者が囲むように椅子で円を作ります。
いつもは円は一重だそうですが、今回は参加者が多かったため二重になりました。
内側の円に座った人がゲストや他の参加者と対話ができる権利を有します。
外側の円に座った人は内側で行われる対話を聞けますが、この席から発言したり質問したりすることはできません。
で、ここが一番のキモなのですが、内側の円に一つだけ席を空けておきます。
こうする事で、外側の席に座っている人が、内側の円で行われている対話の中で
「この話題についてはどうしても話したい!」
と思ったらば、自分の席から内側に移動するのです。
こうなると内側の席が埋まってしまのですが、この対話のルールでは
「席が埋まってしまった場合、誰かが(空気を読んで)“自分はもういいな”と思ったら、外側の席に移動する」
という事になっており、常に内側の席が一つ空くようにしています。
こうする事で、参加者全員にゲストと話ができるチャンスが与えられるようになっています。
私が外側からスタートしましたが、話したいと思った時に内側に入れて皆さんと意見交換したり、安斎先生のお話も聞けたので、たいへん満足する事ができました。
■その座席レイアウトに意図はあるのかい?
こうしたコミュニケーションを活発にしたり、コラボレーションを生む座席レイアウト、オフィスレイアウトというものをビジネスの世界では最近よく見聞きするようになりましたが、それらの原点って学校教育の中にあるような気がします。
小中学校時代、学期代わりの座席変更、出席番号順が班単位に変更した時など、非常に胸が躍ったことを今も覚えておりますが、慣習的に行うのではなく、子供の学習効果を高めたりするような意図で座席レイアウトはどんどん変えていいのではないかと思いました。
(こういう工夫の引き出しがある先生の元で学べる子供は幸せだなぁ。。)
最後に、今回のイベントの本題である「子どもの学びを生み出すシカケ」については下記にレポートを書きましたで、合わせてご覧頂ければ幸いです。
*「子どもの学びを生み出すシカケ」レポートと感想
■余談だが
このレイアウトというかデザインは素晴らしいのですが、こうした環境を活かすも殺すもやはり人であるなぁと思ったのは、「内側にいた人が、外側に出る」ルールが“空気を読んで”という参加者の自主性に任せたものなので、ずっと居座っている人がいたり、話をする時は中央に置かれたクッションを持つのですが、次に自分が話したいと思ってクッションを持っていても、それを無視して話し続ける人もいた事です。
今回参加されていたの主に小中学校の保護者という事で、年齢的にも40代前後の方が多かったように思いますが、私(36歳)も含めこのあたりの世代はこうしたワークショップ体験が乏しいので、何度かこうした体験をすれば自然と身につくのではないかと思います。
このイベントは、ワークショップ研究で著名な安斎勇樹先生を招き、「学びが生まれる場のデザイン」について講演して頂くというもので、講演の終わりに先生を参加者が囲んで対話を行うという時間がありました。
この対話を行うための手法が勉強になったのでメモっておこうと思います。
手法の紹介の前に、本稿のタイトルにある「イベント参加満足度を上げる」という点について、前置きさせて下さい。
(※なお、ここで言うイベントは主にワークショップ、講演、セミナー等を指します)
私はこれまで色んなイベントやセミナーに参加してきましたが、イベント終了後の懇親会、名刺交換会になると、早い者勝ちで一番最初にゲスト、登壇者をつかまえた人が、ずっと話しているのを待ったり、声の大きい人がずっとしゃべり続けるのを聞くというの状況が嫌で嫌でたまりません。
その結果、イベント中に質問タイムがあると必ずここで質問するようになったのは良き副産物です。
※このあたりのイベント不満足については、よろしければ以下のブログをご参考下さい。
*『カイジで考える「イベントリテラシー」』
*『東京ブロガーミートアップに参加してきたよ。』
*『ライブエンタメとしてのトークセッションと記録方法』
ただ、質問タイムで大勢の人が手を上げていたら自分が当てられる確率は低くなります。
質問で当てられなければ地獄の名刺交換待ちタイムや、ゲストをいち早くつかまえた人が話し終えるのを待つタイムに耐えねばなりません。
で、今回参加した『子どもの学びを生み出すシカケ』では、こうした“参加者がゲストに質問したり交流したりするチャンスを増やす”工夫があったので、そちらを紹介したいと思います。
■1つの空席が生む場の流動性
まず、以下の図をご覧ください。
ゲストを参加者が囲むように椅子で円を作ります。
いつもは円は一重だそうですが、今回は参加者が多かったため二重になりました。
内側の円に座った人がゲストや他の参加者と対話ができる権利を有します。
外側の円に座った人は内側で行われる対話を聞けますが、この席から発言したり質問したりすることはできません。
で、ここが一番のキモなのですが、内側の円に一つだけ席を空けておきます。
こうする事で、外側の席に座っている人が、内側の円で行われている対話の中で
「この話題についてはどうしても話したい!」
と思ったらば、自分の席から内側に移動するのです。
こうなると内側の席が埋まってしまのですが、この対話のルールでは
「席が埋まってしまった場合、誰かが(空気を読んで)“自分はもういいな”と思ったら、外側の席に移動する」
という事になっており、常に内側の席が一つ空くようにしています。
こうする事で、参加者全員にゲストと話ができるチャンスが与えられるようになっています。
私が外側からスタートしましたが、話したいと思った時に内側に入れて皆さんと意見交換したり、安斎先生のお話も聞けたので、たいへん満足する事ができました。
■その座席レイアウトに意図はあるのかい?
こうしたコミュニケーションを活発にしたり、コラボレーションを生む座席レイアウト、オフィスレイアウトというものをビジネスの世界では最近よく見聞きするようになりましたが、それらの原点って学校教育の中にあるような気がします。
小中学校時代、学期代わりの座席変更、出席番号順が班単位に変更した時など、非常に胸が躍ったことを今も覚えておりますが、慣習的に行うのではなく、子供の学習効果を高めたりするような意図で座席レイアウトはどんどん変えていいのではないかと思いました。
(こういう工夫の引き出しがある先生の元で学べる子供は幸せだなぁ。。)
最後に、今回のイベントの本題である「子どもの学びを生み出すシカケ」については下記にレポートを書きましたで、合わせてご覧頂ければ幸いです。
*「子どもの学びを生み出すシカケ」レポートと感想
![]() |
このロゴすてきだなぁ。。 |
■余談だが
このレイアウトというかデザインは素晴らしいのですが、こうした環境を活かすも殺すもやはり人であるなぁと思ったのは、「内側にいた人が、外側に出る」ルールが“空気を読んで”という参加者の自主性に任せたものなので、ずっと居座っている人がいたり、話をする時は中央に置かれたクッションを持つのですが、次に自分が話したいと思ってクッションを持っていても、それを無視して話し続ける人もいた事です。
今回参加されていたの主に小中学校の保護者という事で、年齢的にも40代前後の方が多かったように思いますが、私(36歳)も含めこのあたりの世代はこうしたワークショップ体験が乏しいので、何度かこうした体験をすれば自然と身につくのではないかと思います。