地理的に、金銭的に、時間的に行けないイベントの代行サービス

先月、東京芸術学舎の『ワークショップデザイン入門講座』を受講してきました。
『明日、ワークショップを企画できますか? ~ワークショップデザイン入門講座レポート』

でもこの講座、ギリギリまで行くのを躊躇ったのです。
なぜなら受講料が16,000円。

若かりし頃、mobidecに参加した時も清水の舞台から飛び降りる思いで35,000円のチケットを買いましたが、値段ほどには得るものがなかった事がトラウマになり、高額イベントには尻ごみをしてしまうのです。

こんな「興味はあるけど、お金を出してまで行くのは躊躇するイベント」については、イベント主催者のレポートや関連媒体の記事、参加者の方のブログを待つという手がありますが、これらのアウトプットが必ずしも私の知りたい内容に言及している訳ではありません。
最近ではustreamでの放送やログミーの全文書き起こしサービス等もありますが、これはまだまだ数が少ない。同じくイベント参加者のTwitterやTogetterでもまた不十分です。

という訳で今回は、この課題についての解決案を考えてみたいと思います。



前田ケチだなぁという声がチラチラ聞こえてきそうな中、一つ言い訳を致しますと、今回の課題は金額だけがネックなのではありません。
私は20歳の頃から地元の紀北町(人口約17,000人の町)に帰りたいと願っているのですが、長く東京で仕事をしていると、これまで出会ってきた素晴らしい人々との出会いや刺激を失うのではないかという思いがUターンを思いとどまらせます。
つまり、地理的要因で行きたいけど行けないという課題があり、また、イベント開催日に予定が入っていて行けないという課題もあります。

これら「金銭的」「地理的」「時間的」問題があるけれど、ustream等もない中、どうしてもそのイベント内容を知りたいという条件で考えましょう。


■取材、聴講エージェントって成り立たないか?

結論から言うと、
自分の代わりに受講、参加し、成果物を納めてくれる「代理人(取材エージェント)」を立てるという方法はどうでしょう?
最近ではクラウドファンディングの事例として、海外のITベンチャー事情を取材に行くというプロジェクトが成功していましたが、イメージとしてはこれに近いかも知れません。


代理人への依頼事項(成果物)としては以下のようなものが考えられます。
・登壇者にこの質問だけしてきて欲しい
・この展示ブースの写真を重点的に撮影してきて欲しい
・ワークショップの進行(レジュメ)と内容を作ってほしい
・代理人と依頼者の位置が近ければ直接会って報告という手も考えられる。

費用、支払については、
・代理人には受講料、参加費用の一部を支払う
・代理人もこのイベントに行きたければ折半(パーセンテージは別途調整)。
・同じ要望(依頼事項が同じ)の人が多ければ、折半する金額は減る。
・参加者はあくまで一人なので、受講する費用は一人分。
・成果物の内容によっては受講料以上の費用を集めようとする代理人が出るかも。。

これらを図にしてみると、こんな感じかなぁ。


世の中には数多くのイベント、セミナー、展覧会があるので、それらの情報を集約したプラットフォームを作り、「参加、受講したいけど行けない人」と「エージェント」のマッチングを行う形が効率的。

ここで解決しなければならない問題は著作権です。
セミナーや講演会等の場合、講演は講演者の著作物のため、講演の利用(録音、録画、講演要旨の作成、利用、放送等)には承諾が必要です。
この承諾を基本的には主催会社と。主催会社を通じて講師と行うことになると思います。

著作権の他には、
・受講料について1人分支払うだけで良いのか?
・代理人が受講料以上の費用を得た場合、その費用はどう講師に支払うのか?
・成果物の質の担保、
といった事をクリアしていく必要がありますので、こうした問題をプラットフォーマーが間に立って解決していく形になるのではないでしょうか。

ちなみにここまで考えて、上記の仕組は記者による取材のパーソナライズサービスと言えるのではないかと思いました。
(金銭的にそれで食べていくことは難しいでしょうが)


まぁ、そもそも主催者がそうした参加したいけどできない人向けのアーカイブサービスを行えばこのような仕組みは不要になるのですが。。

※キロクの代行、企業のアーカイブサービスに関連する記事はことらをどうぞ:
『これからのキロクソリューションについて考える ~キロク学会のメモより』
『キロク学会で新しいトークセッションの記録方法『話譜』を実践してきたよ』
『ライブエンタメとしてのトークセッションと記録方法』



■余談だが

今回考えた仕組について代案になり得る経験をした。
2014年3月に開催されたUXとCXについて考えるイベント「XPD2014」に参加した時、3つの分科会があった。その内2つに興味があったものの、どれか1つを選ばざるを得ない。
すると偶然にも知人のタキザワケイタさんも本イベントに参加されており、私が行きたかった別の分科会のレポートブログを書いてくれていた。
その時のタキザワさんのブログがこちら。
『XPD2014「日本オラクルWORKSHOP」レポート』

で、私も参加した部会のブログを書いた。
『スポンサードワークショップの難しい”さじ加減”』

このように、そのイベントに参加した人たちが書いたブログや感想ツイート等をまとめて公開するという場所を作ることができれば良いのではないだろうか。
XPD主催会社のロフトワークのレポートはこちらだが、分科会についてはほとんど言及されてない。
うーん、やっぱり企業のアーカイブサービス、必要じゃないかなぁ。。

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