小学一年生が創案したイベントモジュール

2018年夏から始めた「なんで?プロジェクト」は、7月に富士フイルムさんのワンダーフォトショップを皮切りに、11月には埼玉県庁のイベントで大宮ソニックシティとウエスタ川越で。19年1月にはdocomoショップ新小岩店、3月は同じくグランフロント大阪のdocomoショップショールームなどで、なんで?ワークショップを開催してきました。


この「なんで?ワークショップ」、回を重ねるたびに改善を重ねているのですが、助手としてこれまで2回参加してきたアーネ(小学一年生、7才)が、私たちプロジェクトに関わる大人が考えなかったイベントモジュールを創案したので、その内容を記録しておこうと思います。
(※イベントモジュールについては、こちらの記事をご覧ください)
最新のなんで?ワークショップは以下のような流れで行っていました。

  1. 受付
  2. グループになって任意の場所に座る
  3. 今日のイベントで何をするかを子どもに説明
  4. 子どもの「なんで?」の大事さ、価値を一緒に参加している親に説明
  5. 撮影に使用するカメラの操作方法を説明
  6. テーマを提示して、そのテーマに関する写真を、子どもたちが撮影する
  7. 撮影した写真のうち、最も気になる「なんで?」を選んでプリントする
  8. プリントした写真を所定の台紙に貼り、「なんで?」と思った考えを書く
  9. グループ内で「なんで?」台紙を回し、他者の「なんで?」に自分の「なんで?」を書き加える
  10. グループごとに「なんで?」の数をかぞえる
  11. 最も「なんで?」をたくさん出せたグループに、プレゼントのシールを渡す
    (シールは勝ったグループから渡す。勝敗に関係なくシールはもらえる)
  12. もらったシールを、台紙に書き込まれた最もお気に入りの「なんで?」の脇に貼る
  13. なんで?の発表
  14. 記念撮影
  15. 終わりの挨拶
  16. 解散
おおよその雰囲気と流れを感じていただくために、以下のダイジェスト動画をご覧ください。


助手として参加していたアーネがこのイベントに対して、提案した二つのモジュールがあります。

一つは、プレゼンとのシールの渡し方。
もう一つは解散の仕方です。

グランフロントでの開催一週間前、埼玉県の創業・支援ベンチャー埼玉でも助手として参加したアーネは、このとき初めてグループに分かれて「なんで?」の数を競い合うというモジュールを体験しました(プレゼントにシールをもらうというモジュールも未体験です)。
アーネは助手として参加しつつも、プレイヤーとして「なんで?」の数を競うことに参加しましたが、このときは数の少ないグループになりました。
ワークショップ終了後、私はアーネに今日の感想を聞くと、アーネは以下のようなことを言いました。

  • なんで?の数を出し合う競争は負けると悔しい
  • 勝っても負けてもシールをもらえるなら、競争はしなくていいんじゃないの?
  • たとえば、10個以上出せたらシールをもらえるよ、というのはどう?
    (多い方が先にもらえるのは変わらない)

この提案を、私はわるくないと思い、大阪でのワークショップで早速試してみました。
子どもたちの反応は、「勝った方から先にすてきなプレゼントシールがあります」と言ったときと変わらず、このアクティビティに取り組んでいたように感じました。

もう一つのモジュールは解散の仕方です。

これまでは終わりの挨拶をしたら自由解散でした。大阪では午前と午後に一回ずつワークショップを行ったのですが、二回目のワークショップが終了する間際、記念撮影をして、各人のなんで?シートをクリアフィルムに入れて手渡しているときに、アーネがこんなモジュールを創案しました。

「お店を出るときに、“がんばったね”とタッチをするのはどう?」

ECCジュニアのイベントでそんな体験をしたのか。
自分よりも年下の子どもが多く、ちょっとお姉さん気分になったからなのか。
アーネがどのような考え・経験からこのモジュールを思いついたのかはわかりません。

このモジュールも私は良いものだと思いましたので、「いいね!それやってみよう!」とすぐに取り入れたのですが、残念ながら入口が広くてつかまえられなかったり、いっしょにいる保護者に気後れしたのか、アーネが口にしたようにはうまくタッチができていませんでした。

ただ、次のワークショップでは私はこのモジュールを取り入れるつもりでいます。

私はイベントモジュールを創案・考案できるのは、そのイベント参加者や運営者、関わる人々が、少しでも良い体験ができるようにと願う気持ちがベースにあると考えますが、この一点においてアーネは既に十分すぎる資格を備えており、もはや助手というには不十分な、立派なワークショップの戦力になっています。

以上、親バカが最前線からお伝えしました。

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