アラサ―子育て夫婦が欲しい情報とは? ~市井の知恵を掘り起こす仕組について
私には仕事やワークショップ等を通じて知己を得た30代の育児中のパパママが多くいます。
彼らとはランチを共にしたり、私がふらふら~と彼らのオフィスに遊びに行ったりする中で、お互いの育児体験や工夫、仕事の事などについて「対話」をしています。
そこで得られる新しい発見、気づきを大変貴重でありがたいものと感じているのですが、そこで得たものには境遇を同じくし、育児生活の課題や悩みに直面しているパパママに役立つものが数多くあると感じています。
本記事ではそうした人々に役立つ知恵を届けるための仕組について、前回の 『「おしゃべり以上、ディベート未満。」~新しいトークイベント企画について』 を更に具体化する形で書いてみました。
■頼りになるメディアも、相談できるコミュニティもない。
子育てにおける困りごとや悩みは多々あれど、お金で解決できるものは結構多くあるため、ここではお金では今の所解決できない、私の30代育児中パパママの友人たちに共通する課題を挙げます。
ざっくりまとめると、大きく以下の2点。
1.育児生活における他人のやり方をちょっと知りたい。
2.自分の育児方法が間違っていないか聞きたい、相談したい。
この2点の課題を引き取ってくれる存在が今の所、ありません。
まず、人のやり方を知りたい、という点について。
多くの育児雑誌やWebメディアが存在していますが、大手メディアは特異な環境やポジションに置かれている特異な人を取り上げる事が多いため、閲覧者である私たちにとって自分には遠い存在に思え、自分事として読むことができません。
この人のようにはとてもやれないよ、とか。
こんな環境はうちの職場にはないよ、とか。
私たちが知りたいのは、その記事(事例、考え方)を読み、
「これならウチでもできそうだ」と、今晩家に帰って実践できる類のもの。
「そんな考え方もあるんだな」と、腑に落ちる、素直に聞き入れられるものです。
(それは自分に引き寄せて考える解釈力がないせいだ、という指摘はここでは論じません。)
次に「相談する」という点についてはどうでしょうか?
相談する以上、自分から人々に話しかけなければなりません。
Yahoo!知恵袋や大手小町などのQ&Aサイト、掲示板もありますが、これらに掲載されている相談は内容が極端で参考になりません。(読み物として面白かったり、ヒェ~となったりしますが。。)
投稿するにしても、うっかり相談内容に炎上燃料が少しでも混じっていると盛大に扱われ(叩かれ、disられ)てしまいます。一方で内容がセンセーショナルでないと閲覧者からの反応が出てきません。
保育園のパパママ友達に聞けばいい?
送迎の短い時間でしか顔を合わさない人々には、なかなか聞くキッカケがありません。
逆説的ですが、毎日顔を合わせる人々にも簡単には聞けません。
核家族化が進み、地縁もか細くなっている現代において、私たちには気軽に相談できるコミュニティがなく、PV至上主義のwebの世界では頼りになるメディアもないのです。
■市井の人々の知恵は埋没している
ところで、ここまで私が使っている30代パパママとは一体どんな人なのでしょうか。
ここからは友人のコンサルであるGさん(30代パパ)の言を借りて解説していきたいと思います。
そこへ第一子の誕生。
初めての子育て。初めての共働き。
経験したことない生活が始まります。
それでも、育児生活の中で直面する課題に対して、積み重ねた専門性や経験を活かして解決している(しようと実践している)可能性が高い。
そこで注目したいのが、この「専門性や経験を活かした実践」です。
上記の定義では冒頭の特異な環境の特異な人も当て嵌まってしまいますが、特別な環境と才能に恵まれている訳ではない一般的な人々にとって、自分たちとの距離が近しいと思える人々の実践や工夫はたいへん役立つことかも知れないのです。
しかし、残念ながら私たちがそうした「市井の人々」の知恵に巡り合う機会は多くありません。
どなたかがそうした知恵や体験をブログ等に記していたとしても、検索して上位表示されてくるのはSEO対策されたメディアの記事やアフィリエイトと絡めた釣り記事。
せっかくの知恵が埋没しているかも知れません。
さらに、書くという行為は簡単ではなく、まとまった内容で記事を書こうとすれば時間も取られます。
■対話によるイベントで掘り起こす
*対話(トークセッション)
*記録(アーカイブ)
*素材(ナレッジ)
という事になります。
回数を重ねて、最終的にTEDのようなイベント&アーカイブができれば素敵かも。
まずはこの夏までに1回開催してみたいゼッ。
最後に、対話の魅力、効能について、ご紹介したい一文がありますので引用して終わりたいと思います。
※ちなみに、「オレ、話したい事いっぱいある」とか、「こんな話聞きたいな」といったご要望やご質問等があれば、お気軽にご連絡下さいませ。
彼らとはランチを共にしたり、私がふらふら~と彼らのオフィスに遊びに行ったりする中で、お互いの育児体験や工夫、仕事の事などについて「対話」をしています。
そこで得られる新しい発見、気づきを大変貴重でありがたいものと感じているのですが、そこで得たものには境遇を同じくし、育児生活の課題や悩みに直面しているパパママに役立つものが数多くあると感じています。
本記事ではそうした人々に役立つ知恵を届けるための仕組について、前回の 『「おしゃべり以上、ディベート未満。」~新しいトークイベント企画について』 を更に具体化する形で書いてみました。
■頼りになるメディアも、相談できるコミュニティもない。
子育てにおける困りごとや悩みは多々あれど、お金で解決できるものは結構多くあるため、ここではお金では今の所解決できない、私の30代育児中パパママの友人たちに共通する課題を挙げます。
ざっくりまとめると、大きく以下の2点。
1.育児生活における他人のやり方をちょっと知りたい。
2.自分の育児方法が間違っていないか聞きたい、相談したい。
この2点の課題を引き取ってくれる存在が今の所、ありません。
まず、人のやり方を知りたい、という点について。
多くの育児雑誌やWebメディアが存在していますが、大手メディアは特異な環境やポジションに置かれている特異な人を取り上げる事が多いため、閲覧者である私たちにとって自分には遠い存在に思え、自分事として読むことができません。
この人のようにはとてもやれないよ、とか。
こんな環境はうちの職場にはないよ、とか。
私たちが知りたいのは、その記事(事例、考え方)を読み、
「これならウチでもできそうだ」と、今晩家に帰って実践できる類のもの。
「そんな考え方もあるんだな」と、腑に落ちる、素直に聞き入れられるものです。
(それは自分に引き寄せて考える解釈力がないせいだ、という指摘はここでは論じません。)
次に「相談する」という点についてはどうでしょうか?
相談する以上、自分から人々に話しかけなければなりません。
Yahoo!知恵袋や大手小町などのQ&Aサイト、掲示板もありますが、これらに掲載されている相談は内容が極端で参考になりません。(読み物として面白かったり、ヒェ~となったりしますが。。)
投稿するにしても、うっかり相談内容に炎上燃料が少しでも混じっていると盛大に扱われ(叩かれ、disられ)てしまいます。一方で内容がセンセーショナルでないと閲覧者からの反応が出てきません。
保育園のパパママ友達に聞けばいい?
送迎の短い時間でしか顔を合わさない人々には、なかなか聞くキッカケがありません。
逆説的ですが、毎日顔を合わせる人々にも簡単には聞けません。
核家族化が進み、地縁もか細くなっている現代において、私たちには気軽に相談できるコミュニティがなく、PV至上主義のwebの世界では頼りになるメディアもないのです。
■市井の人々の知恵は埋没している
ところで、ここまで私が使っている30代パパママとは一体どんな人なのでしょうか。
ここからは友人のコンサルであるGさん(30代パパ)の言を借りて解説していきたいと思います。
それぞれの職場で仕事を積み重ね、専門性が育ったりする中で、ある程度のキャリアを積んできてはいますが、世の中全体がタコツボ化している中で自分のやっている仕事の意味や意義がわからなくなったり、迷いを持ったりしているような人々。
自分の考えや価値観が形成されてきている人々。
そこへ第一子の誕生。
初めての子育て。初めての共働き。
経験したことない生活が始まります。
それでも、育児生活の中で直面する課題に対して、積み重ねた専門性や経験を活かして解決している(しようと実践している)可能性が高い。
そこで注目したいのが、この「専門性や経験を活かした実践」です。
上記の定義では冒頭の特異な環境の特異な人も当て嵌まってしまいますが、特別な環境と才能に恵まれている訳ではない一般的な人々にとって、自分たちとの距離が近しいと思える人々の実践や工夫はたいへん役立つことかも知れないのです。
しかし、残念ながら私たちがそうした「市井の人々」の知恵に巡り合う機会は多くありません。
どなたかがそうした知恵や体験をブログ等に記していたとしても、検索して上位表示されてくるのはSEO対策されたメディアの記事やアフィリエイトと絡めた釣り記事。
せっかくの知恵が埋没しているかも知れません。
さらに、書くという行為は簡単ではなく、まとまった内容で記事を書こうとすれば時間も取られます。
■対話によるイベントで掘り起こす
書いても世に出る機会が少ない。書くという行為自体が難しいという状況下、どうすれば私たちは市井の人々の知恵に出会う事ができるでしょうか?
誰かに紹介してもらってインタビューをしに行く?
インタビューしたものを記事化して公開する?
知恵を引き出すという意味ではいい方法かも知れませんが、
冒頭に出した下記課題のうち、聞き手(ここでは記事化された後の読み手)にとっては良くても、インタビューを受ける方(話し手)にとってのメリットはあまりありません。
自分の育児方法が正しいかどうかのフィードバックは公開されてからしか得る事ができません(得られるかどうかもわからない)。
1.育児生活における他人のやり方をちょっと知りたい。
2.自分の育児方法が間違っていないか聞きたい、相談したい。
そこで、思いだして頂きたいのが、この記事を書くキッカケとなった「友人との対話」です。
インタビューもそうですが、「書く」という行為に比べて「話す」ことのハードルは高くありません。
但し、インタビューでは話し手が得られるメリットが少ないため、インタビュアー(現場での聞き手)対話し手という関係ではなく、話し手を二人立て、その二者による対話という形を取ってみてはどうかと思うのです。
正確には、相手の話を聞き、自分の意見も述べるという行為もスキルや慣れが必要なため、話し手二人に対話を発展させていく事のできるファシリテーター一人の構成がベストな気がします。
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なんとなくの脳内イメージ |
そこで、この構成で、特定のテーマに対して関連する職業に就いていたり体験をしている人々をアサインしたトークセッションイベントを開きたいと考えています。
例えば、こんなテーマとゲスト。
テーマ:「保育園の連絡帳、どう書けばいい?」
ゲスト:ライター、赤ペン先生
テーマ:「子どもの創造性、どう伸ばしたらいい?」
ゲスト:サッカーコーチ、塾講師
テーマ:「食育、どう進めてる?」
ゲスト:シェフ、農家
テーマ:「産後のセックス、相手をどう誘う?」
ゲスト:弁護士、臨床心理士
テーマ:「定時退社、どううまくやってる?」
ゲスト:営業パーソン、部下を持つレベルの会社員
テーマ:「赤ちゃんのおもちゃ、どう選んでる?」
ゲスト:スポーツインストラクター、ワークショップデザイナー
保育士や「おもちゃ」テーマに対しておもちゃメーカー社員を呼ぶといった、
そのテーマの専門家を呼ぶのではなく、全く関係がない或いは仕事の知識を活かせていそうな職業の人々を、異なる業界、職業からアサインする点がポイントになるかと。
更に、テーマに関連する企業がスポンサードする事で、新たなユーザーニーズや商品開発のヒントを得る事ができるかも知れません。
対話イベント(トークセッション)のメリットは、聴衆も含め話し手自身がその場で多様な見方、異なる意見に触れ、議論される事で考えが深まったり、新しい発見を得る所にあります。
話し手はそうした体験を通じて、自分の意見を相手に伝える力や相手の意見を聞き入れる力と態度を身に付けることができるでしょう。
もちろん、ファシリテーターも対話を発展させていく力、コーディネートしていく力を身につける事ができます。
話し手はそうした体験を通じて、自分の意見を相手に伝える力や相手の意見を聞き入れる力と態度を身に付けることができるでしょう。
もちろん、ファシリテーターも対話を発展させていく力、コーディネートしていく力を身につける事ができます。
そして、ここで話される内容をリアルタイムレコーディングし、聴衆がそのレコーディングシステムを利用して自由に質問、メモできる環境を整え、アーカイブしたデータをWebで公開する事で、こうした知恵を必要とする人々に届けて、育児生活の参考にして頂ければと思います。
※レコーディングシステムに関する参考記事:
この一連の仕組の柱をまとめると、
*記録(アーカイブ)
*素材(ナレッジ)
という事になります。
回数を重ねて、最終的にTEDのようなイベント&アーカイブができれば素敵かも。
まずはこの夏までに1回開催してみたいゼッ。
最後に、対話の魅力、効能について、ご紹介したい一文がありますので引用して終わりたいと思います。
本書の冒頭で「商売の基本は価値交換である」という話をしました。「会話」というものは、実はこの価値交換が凝縮された場だと思います。日々のちょっとした発見や仮説、事例を人と聞いたり話したりするのが本当に大好きです。会話の中でお互いの知が共鳴し合って起こる新しい化学反応、インプロビゼーション(即興)の瞬間をたまらなく愛おしく思います。
また、その結果、関わった人たちがみな、お互いの情報という価値交換だけではなく、その場で生まれた着想で、ほんの少しだけ豊かになる。笑顔になる。そして私も、相手も、その着想を他の人に伝えたくなって次の化学反応が生まれ、その化学反応をまたフィードバックし合う。着想という価値交換の連鎖が続くのです。このような情報や着想のトレードが大好きで、毎日のようにいろいろな人にメールをし、ソーシャルメディアにポストし、 また会話をするために出かけています。
~『ITビジネスの原理』(尾原 和啓)より
※ちなみに、「オレ、話したい事いっぱいある」とか、「こんな話聞きたいな」といったご要望やご質問等があれば、お気軽にご連絡下さいませ。