「おしゃべり以上、ディベート未満。」~新しいトークイベント企画について

最近、立て続けに知人との会話を通じてよい体験をしたり、ワークショップに参加してその魅力とまだまだイケてない部分を体験したことから、新しいトークイベントについて考えてみたので、ちょっとメモっておきたいと思います。


■人と話す事で得られる豊かな体験

最近、育児のこと、パートナー(妻)とのこと、これからのキャリアのこと等を、知人とランチがてらお茶がてら話す機会が続きました。


リサーチャーのYさんとは、ケチャップで有名な「ハインツ」の誕生の背景には、女性の社会進出が関係している話を聞き、そこから今後の社会においてどんな育児、家事がアウトソーシングされていくのかという事を話したり。

(※関連記事 時短サービスの歴史とこれから』

事業コンサルのGさんとは、プロボノに携わる人々が増えていく中、これまでの紙や転職サイトの履歴書フォーマットは時代に合わなくなるので、非デザイナー職でもポートフォリオを持つべきだという話になったり。


そんな話の中から、私は気づきや学び、考え方やモノの見方のヒント等を得ることができ、話をした後はなんとも言えぬ豊かな気持ちになったり、自身のサービス企画等に活かさせて貰ったりしています。
(頂いているばかりでなければ良いのですが。。)

こうしたありがたい体験をさせて頂いているうちに、
このような体験を必要とする(体験が助けになる)人は少なくないのではないか?
同じ課題や問題意識を持っている人たちと共有し、話の内容を掘り下げたり、発展させていく事ができれば素敵じゃないか?
と考えるようになりました。


■なぜ豊かなものになるのか?

そもそも、こうした体験が豊かなものになっている理由を、当たり前だろうと思われることも含め整理してみたいと思います。


(1)境遇が似通っているから

話をした相手は、私が夫婦のための育児情報共有アプリ「コドモノガタリ」の運営時代に知己を得た方々なのですが、偶然にもみなさん年齢が35歳前後と近く、また1~5歳の子供を育児中という、境遇や課題を同じくしています。

(2)対話だから
対話する事によって、共通のテーマについて自分とは違う価値観、モノの見方等を知ることができます。
それによって自分の考えを発展させたり見直してみたりする事ができます。

(3)関係がフラットだから

高説を拝聴する、教え教えられるといった上下関係ではない、フラットな関係である事も要因の一つではないでしょうか。
これは(1)の年齢が近いことも関係がありますね。ただ、ここに仕事の受発注関係があるとどうなるのかはわかりません(そもそもこういう話をする関係になっているか怪しい)。

(4)話に納得力があるから

うまく言えないのですけど、みなさんのお話にはそれぞれの仕事や生活の中で得てきた物事が血肉になっていて、話の内容に納得力というか、腑に落ちる感じがとてもあるのです。
「その話、ビジネス書で読んだわ~」とか「昨日のはてブで見たけど。。」といった取ってつけた感がありません。誰かがツイートしたいい事をただリツイートするのでなく、自分に落とし込んで解釈して自分の言葉に変えている感じがします。


上記のような理由は、ワークショップの魅力にも通じるものがあると思います。

ワークショップの魅力はロフトワークの棚橋さんの言葉を借りると、

互いに全く関係のない事象でも、受け手の考え方や意識、その時の感覚によって、新しい発想につながる可能性がある』


という点にあります。


他者との対話にも同じように互いのかけあいから生まれる実り。ジャムセッションのような感覚で、他人のアイデアや価値観に触れて、新しい気づき、学びを得ることができ、それがキッカケとなり、自分が持っていた考えを発展させられる魅力があります。




■この体験を残し、深めるための方法は?


話を戻して。

このような体験を残し、深めていくための方法について考えてみましょう。


自分一人のための記録なら日記で十分です。
ちょっと他人に知らせたければSNSで発信すればいいし、
更にもう少し考察したければブログにすれば良いです。

ただ、こうした体験の魅力は他者との交流による所が大きいため、それを実現しようとするとリアルに集まるか、Facebookグループ等のwebサービスを使う事になりそうです。

私は仕事でfacebookグループをよく使っていますが、情報共有という点では利点があっても、何かのテーマについて議論したり、それを記録し後から見やすくするという点については向いていないのではないでしょうか。


大事にしたいポイントは下記の4つです。

*他者との意見交換
*記録(及びその後の閲覧)
*共有
*発展(話の内容を記録、共有する事で、その話を継いで新しい交流が生まれたり、話が掘り下げられるようにする事)


じゃあ、それは何が最適なのかという案をまだ持てていないのですが、アイデアワードを並べると、

・リアルな交流の場を起点とする。
・特定のテーマについて2名以上が話す。(ファシリテートと記録が各1名。もしくは兼任)
・話の内容を新しい記録システムを使って記録する。
 (棋譜のような感じで、話の流れがわかるもの⇒「話譜?」)
・記録システムでは他者との共有や、他者が記録データを継ぐ(引用)ことができる。
・引用した話の内容をベースに、新しい話の場をリアル、Webで開くことができる。
・おしゃべり以上ディベート未満のトークセッション

のようなものをイメージしています。

最近は上述したワークショップが多く開催されたり、TEDのようなプレゼンイベント、書評ゲームのビブリオバトル等の知的スポーツ(この言い方が正しいかはわかりません)が注目されていますが、単に集まってパパ飲み会を開催してフリートークに任せるというよりは、一定のルールのもと行われた方が盛り上がる気がします。
(※これも男性と女性とでは心地よい方法は異なると思います)


うまく設計できれば良い体験の場になる気がするので、引き続き考えていきたいと思います。

「こんなのいいんじゃない?」というご意見を頂けるようでしたら、お気軽に下記メールやコメント欄にメッセージ頂ければ幸いです。

takaho78@gmail.com


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