「プロジェクトの処方箋」ブックフェア企画の裏側

新著『ゼロから身につくプロジェクトを成功させる本』の販売促進施策として、『プロジェクトの処方箋ブックフェア』を企画し、出版社の営業のみなさんを通じて、書店さんに展開頂いています。

書店員さんからは出版社の垣根を越えた企画として興味を持っていただいたり、趣旨に賛同をいただくことができました。この記事では、ブックフェアの企画を考えている方の参考になるかも知れない、企画趣旨や背景を紹介します。

『ゼロから身につくプロジェクトを成功させる本』では、私がこれまでのプロジェクト支援経験で見聞きしてきたプロジェクトの問題を「病」に見立て、整理・分類し、症状と原因の関係を可視化した「プロジェクトの問題症候群マップ(別名:病態関連図」)を収録しました。

症状には原因があり、その原因に効く処方箋や養生法があります。

新著はここに収録した問題に万遍なく効く葛根湯的一冊ですが、各症状にはより専門的な内容でその症状に対して効果を発揮する処方箋書籍がいくつもあります。

私が実際に読み、学びを得たそれらの書籍をマップにプロットしたとき、これは新著のプロモーションだけでなく、色々なことに活用できるポテンシャルがあるように感じました。


例えば、これを書店で新著を絡めたブックフェアとして活用してみるとします。

書店にとっては書棚にある書籍を異なる視点で売り出すキッカケになるかも知れず、読者にとっては一般的な「プロジェクトマネジメント」の書棚では見つからない、その人に適した書籍に出会えるかも知れません。

出版社にとっても新刊や売れ筋ではない書籍を再度販売する機会になるのでは・・・なんていうことを考えました。

詰めなければいけない点は色々ありますが、この企画を実現する最重要人物は、当然書店員さんです。

日々通常業務で忙しく、フェアをするにもスペースの制約があり、もともと計画している自身のフェアや大手出版社からのフェア企画もあるなか、どのようにすればこのフェア企画を受け容れていただけるだろうか・・・?

実際に書店を訪れてフェアコーナーを視察し、自宅の一角をフェアコーナーとして実際に本を集め、積んでみて、自作のPOPを添えてみたりして色々考えてみました。


すべての症候群の書籍を紹介するには広いスペースを必要とするため、症候群を少しずつピックアップしていただくようにすればいいだろうか?

「処方箋」と謳うのであれば、POPはそのような処方箋感のあるデザインにするといいんじゃないか?


選書の手間を減らすために選書リストをつくってお渡しした方がいいんじゃないか?


この選書リストには、選書候補として書名を入れはしましたが、書店員さんの知識やセンスもぜひ活かして頂ければと考え、選書の際の基準・視点も記載しました。(店内にはない書籍、絶版の書籍もあり得ますし、そもそも私がこんなリストをお渡しするのは差し出がましいのでは・・・という気持ちもありました)

こうしたことをWordの企画書にまとめ、まずは出版社の営業の皆様に提案しました。


出版社としては、「なんで他社さんの書籍を案内しなければいけないのか?」とお思いになるところですが、ネームバリューもSNSパワーもない私には、自著単体で売れる可能性よりも、このような企画の方に売れる可能性を感じたのです(もちろん、書籍内容が多くの方に必要とされていれば売れていくのでしょうけど)。

各書店さんにご案内いただいたところ、早々にいくつもの書店さんに賛同いただきました。

紀伊国屋書店新宿本店さんには早々に本フェアを実施してくださいました。


マップも掲示頂いてたいへん嬉しく、ありがたいです。

紀伊国屋書店前橋店さんや須原屋ビーンズ武蔵浦和店さんでも開催いただき、この後もいくつかの書店で開催いただく予定です。



お店ごと読者層が異なり、書店員さんの経験や読みから選ばれた症候群と本を見ているだけでも楽しいです。

プロジェクトの問題症候群マップを見て、思い当たる症状や心配な症状があって、以下のフェア参画書店さんが職場や自宅近くにあれば、ぜひその書店に足をお運びください。

そこで書店員さんオリジナルの「処方箋」を見て、ご自身に合うものがあるはずです。

また、このブログをご覧になっている中に書店員さんがいらっしゃって、「このフェアやってみようかな」と思っていただけましたら、拡材データや選書リストをお送りしますので、ぜひこのブログのお問合せフォーム、もしくは下記のメールアドレスにご連絡ください。

takaho78@gmail.com

(※「@」を大文字にしていますので、小文字にしてお送りください)

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