前橋市の書店さん訪問、往復100kmを初めてロングライドした件
8月に出版された『ゼロから身につくプロジェクトを成功させる本』のブックフェア企画の営業で、私が暮らす埼玉県行田市から通える群馬県前橋市と高崎市の書店を訪問することにした。
訪問予定書店は、紀伊國屋書店前橋店さん、蔦屋書店前橋みなみモール店さん、煥乎堂本店さん、ブックマンズアカデミー文真堂書店前橋店さん、ブックマンズアカデミー文真堂書店高崎店さんの5書店。
私は車の免許を持っているが運転歴がほとんどないので電車が移動手段になる。
5書店を訪問するにあたり、どのように回るのが最適かGoogleマップにマッピングすることにした(地図をクリックするとGoogleマップが開きます)。
どの書店も駅から歩ける距離にあるように見えたが、紀伊國屋書店前橋店さんと蔦屋書店前橋みなみモール店さんのルートは電車がなく、車であれば16分のところバスだと30分近くかかる。
ここでふと、童心なのか稚気からなのか、「クロスバイクで行くとしたらどうだろう・・・?」という考えが頭に浮かんでしまった。
行田から最も近い蔦屋書店前橋みなみモール店さんまでの距離は約50km。
コロナによる在宅勤務生活が始まってからクロスバイクを購入し、自転車生活を始めた私は、これまで行田から熊谷(6km)、鴻巣(10km)、久喜(25km)、大宮(30km)を走ったことはあったが、50kmは未知の領域。
クロスバイクが1時間で走れる距離は約11kmで、50kmであれば休憩時間も考慮すれば5時間かかる。しかもこの猛暑。熱中症の心配もあったが訪問予定日の天気予報を見ると終日曇りで、なんなら日中は雨も降りそう。
水分・ミネラル補給をしっかりして適宜休憩をはさんでいけば、行けちゃうんじゃないか?
かくして私はクロスバイクによる前橋・高崎書店遠征に赴くことにしたのである。
最初の目的地、蔦屋書店前橋みなみモール店さんまでの推奨ルートは約50kmあったが、利根川の自転車ロードを使用すれば45kmで行けるルートがあった。45kmなら4時間で行ける。自宅をまだ気温が高くない5:00に出発した。
太陽は分厚い雲に覆われ一度も顔を出さない。日射しによる暑さを一度も感じることなく実に快適に走行し、8:00には蔦屋書店前橋みなみモール店さんに到着した。
モール内のマクドナルドで時間をつぶしてからお店におじゃまし、次の目的地の紀伊國屋書店前橋店さんに向かう。
この道中、雲が晴れて強い日射しが照りつけてきたが、既に往路の最長距離をクリアした私にはむしろ「太陽よ、ようやく追いついてきたのかい?」とうそぶく余裕さえあった。
両書店間の距離は6kmで、20分とかからず到着する。
10:00の開店10分前に着いた私は、同店が入るアピタで水分補給し、空調の効いた涼しい店内を満喫した。
紀伊國屋書店前橋店さんではご担当者と「書籍の想定読者が何らかの目的・課題をもって来店するとき、どの棚を目指してくるか?」というお話をさせて頂き、書棚戦略やブックフェア企画について多くの示唆を頂いた。(これについては別のブログで書こうと思う)
さっそく仕事術の棚に置いて頂けて大変ありがたいです |
紀伊國屋書店前橋店さんの後は、煥乎堂本店さんに向かった。
北上するに伴い、大きくて立派な街路樹が並ぶ市の中心部に入る。行田や埼玉県北エリアで在宅勤務・生活しているとまずお目にかからない高層ビル群を見上げると、行田市内にはポツンと1階建ての東和銀行の本店(15階建て)が威容を放っていた。
よく整備された街並みの、前橋市の一等地であろう位置に煥乎堂本店さんはある。
新刊コーナーに置いて頂き、ありがとうございます。 |
周辺にはアーケードの商店街があり、スズランという地元住民に愛されていそうな百貨店もあった。商店街はシャッターの閉まったお店が少なくなかったが、JINZの田中仁社長が、故郷群馬の活性化を目指して企業や店舗を誘致するなどして、ちょっと立ち寄りたくなるお店がいくつか出店していた。(・・・という話を、煥乎堂本店の店長さんに教えていただいた)
煥乎堂本店さんでのお話を終えてお店を出たのが12:00すぎ。今回のクロスバイク訪問は以上の3店舗までで、ブックマンズアカデミー文真堂書店前橋店さんと同高崎店さんは別日に電車で訪問することにしていた。
ブックマンズアカデミー文真堂書店前橋店さん |
たくさん積んで頂き、ありがとうございます。 |
ブックマンズアカデミー文真堂書高崎店さん |
これは後日ブックマンズアカデミー文真堂書店前橋店さんを電車とバスで訪問したときに感じたことだが、前橋市内は走っていて実に飽きない。
初めて訪れたのだから飽きるはずもないのだが、市内を縦に割る利根川を眺めながら、ところどころに大小傾斜も様々な坂道を走るのは、クロスバイクやロードバイク生活者にはとても気持ちのいいことだろうと思った。前述した立派な欅並木といい、市全体に品格のようなものを感じて、とても居心地の良さを感じた。
さて、あとは昼食をとって帰宅するだけである。
ここから約5時間かけて帰るにあたり、途中で休憩をかねて昼食をとっておきたい。
往路で大きくカロリーを消費した影響か、無性にカツカレーを食べたくなり、復路の途上でカツカレーを食べられるお店を検索した。すると2時間ほど走った復路のちょうど中間あたりの場所につむぎやという食堂がある。
次の目的地を定めて煥乎堂本店さんを出て少しすると雲行きが怪しくなり、一気に強い雨が降り始めた。天の恵みとはこのことである。
少なくなってきた水分補給のため、コンビニで麦茶とアイスブロックを購入してつむぎやを目指して走り始めたころ、それまでの雨雲はどこへやら、太陽が容赦なく輝き始めた。
それと同時に両膝が痛み出し、往路ではまったくなかった暑さと痛みを我慢しながら、約1時間30分かけてつむぎやに到着。
念願のカツカレーを食べながら、窓の外を見てみるが、いっこうに太陽の輝きは弱まる気配がない。
カツカレー、まじで美味かったです |
雨雲レーダーアプリを見ても大きな雲は見当たらず、観念して14:00に店を出た。
つむぎやから行田まで約30km。3時間は問題なく走れる距離のはずだったが、ここからが地獄の始まりだった。
照りつける太陽と、照りつけられて高温になったアスファルトから立ち上がる熱気。
痛みを増す両膝。
何より強く吹きつける熱風が一向に速度を上げさせてくれない。
風に負けずにペダルを踏もうとしても膝が痛くて強く踏み出せない。
ママチャリの中高生にも電動自転車のじいちゃんばあちゃんにも追い抜かれる。
ようやく群馬から埼玉に入る坂道大橋に入り、橋のかっこいいデザインを写真に収めて気を紛らわそうとしても状況になんの変化もない。
熱いハズなのにどことなく寒気がしてきて熱中症の危険を感じ始めたころ、ちょうど道の駅おかべを見つけ、ここで休憩を取ることにした。
水筒の減りも水温上昇のスピードも速くなり、コンビニのアイスブロックでは追い付かなくなって、ベルクでより容量の多いアイスブロックを購入。
水筒に入りきらなかったものは森永製菓 inタブレット塩分プラスの袋に入れて途中で氷を水筒に継ぎ足していった。
保温性が良いのか、けっこう氷が溶けなかった |
このときほど関東平野の日陰のなさを恨んだことはない。
両膝の痛みは増す一方。弱虫ペダルの金城はこんな膝の痛みを我慢しながらインターハイを戦っていたのかよ・・・。
それでも道の駅おかべからは3時間、煥乎堂本店さんの出発時刻から5時間をかけて、どうにかこうにか自宅にたどり着いたとき、ランニングウェアからはみ出していた両手は真っ赤に染まり、翌日には邪王炎殺黒龍波を打った飛影の手のように真っ黒になっていた。
今回の遠征は書店員さんの勤務状況のため2回に分けたが、スケジュールが合えば1泊2日にすることができれば、もっと前橋の市内散策や地元の銘酒・料理を楽しむことができそう。
初めて訪れる街で、書店のみなさんと色々な話をさせて頂いて学ぶことが多く、実りあるロングライドになった。