10歳と6歳の、大人が読む本の分類・配架方法

アーネ(10歳)が1階にある自分の本棚と、2階にある私の本棚を交換してほしいと言いました。私の本棚を1階におろすということではなく、自分の本を2回の本棚に移したいということでした。

そこで休日を利用して本の引っ越しを始めたのですが、アーネとジージョ(6歳)が何を思ったのか、私の本を本棚に入れていい?と聞きます。私には私なりの本棚のまとめ方があるのですが、棚の数やサイズが変わった新しい場所で、私の本をまったく読んだことのない娘たちが、どのように本棚を「編集」するのか興味があったので、やらせてみることにしました。

このエピソードの前提情報を整理します。

・アーネとジージョは、私の本を読んだことがない(多分)。

・本は2階から1階におろした際、私の編集方針を離れ、バラバラになっている
(ただ、ある程度のまとまりの名残はあったと思う)

この状況は、書籍についての知識がない、初めて書店でアルバイトをする人が、オープン前の空(から)の本棚の配架を任される―といったことに近いと思います。


まずジージョが編集した本棚がこちら。


文庫本や新書を集めてきて、サイズでまとめた本棚をつくりました。

アーネが編集した本棚(2つ分)はこちらです。


どんなまとめ方をしたのか聞くと、「教育」でまとめたと答えます。表紙・背表紙・帯を見ると、下記の言葉が並びます。

小学校、算数、教育、授業、学校、学力、教室、学び、学習、学ぶ、子ども、教科、学び方、教え方、学習者、指導者

アーネはこうした言葉を「教育」というカテゴリーに入れて(或いは、それぞれの言葉に「教育」というラベルを貼って)配架していったようです。

『論理トレーニング101題』は表紙や帯に上記の言葉が入っていないですが、ページをめくると「はじめに」に授業や教科書といった言葉が入っていました。『わざ言語』は私の編集方針では「教育」に入らないのですが、本書の帯に学習者、指導者という言葉があり、これがアーネの編集方針にかかったようでした。また、『質問紙デザインの技法』は「よくここに入れたなぁ」と思ったのですが、「発問」や「問い」という言葉に並ぶものとして、「質問」という言葉がアーネの教育カテゴリーに入ったようです。

じっくり本の中身を読む(確かめる)時間がないという制約下、効率的な編集方針だと感じました。もちろんジージョのサイズでまとめる方針も。

娘たちがどのように対象を見て、解釈しているのかという不思議・面白さを垣間見ました。

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