もし片手しか使えなかったら、どうやって納豆をかき混ぜる?
納豆かき混ぜキットという存在をTwitter で知りました。
片手に障がいを持たれた方のための『片手で納豆かき混ぜキット』がほぼ完成したと作業療法士の友人から連絡がありました。ケースにフィットする強力な滑り止めと、片手でパッケージを開ける工夫、備品の収納等、考えられています。需要はありますでしょうか?今までにない便利グッズだなと思います。 pic.twitter.com/rDAQ3n3TeO
— 竹林 崇@脳卒中リハの専門家, 作業療法士, PhD(医学) (@takshi_77) January 17, 2022
この動画を見たとき、「いつも使っている手段が使えなくなっても、他の手段を使って“要となる状態”を生成できれば、目標を達成できる」例だとおぼろげに感じました。
ただ、キットを見てそう感じただけなので手応えはありません。そこで実際に自分たちがその条件に置かれたらどうするか?ということを試してみることにしました。
片手で納豆を食べるをゴールにして、自分が片手のときにフタを開けてから混ぜて食べるまでの一連の工程を体験してみようということです。
アーネとジージョも誘って一緒にやってみました。
納豆を食べるまでの行為(要素)の状態を実現するために「どういったことを行うのか?」を整理・記録するのにプ譜を使用しました。
実際に納豆のパックをさわり始める前に、中間目的の欄に納豆を食べるまでの行為(要素)の状態を下から順に書いておきます。そして、その状態を実現するためにアーネとジージョが行うことを施策の欄に記録していきます。勝利条件は設定しません。
フタをあけることやフィルムをはがすことは苦労することなくできたので割愛し、「タレ・カラシの封が切れている」という状態を実現するために、アーネとジージョが採用した手段をみてみます。
アーネが採用した手段は「指で袋をつまみ、歯でくわえて噛み切る」というものでした。
読書きのアーネは、歯を磨いているときでも本を手話さずにいられるよう、口で歯ブラシの取っ手を加え、あいている手で歯磨き粉をつけるということをしているのですが、そんなアーネの特性を生かした手段だと感じました。
ジージョはアーネのように口ではかみきれないと考えたのか、「ハサミつかっていい?」と聞いてきました。
ハサミを使ってはいけないとは言っていません。身の回りの資源を活かそうとして素晴らしいと思いました。
ところがハサミを使ってもうまく切ることができません。そこで、お茶の入ったコップでタレの袋を押さえて、袋の先端を切ります。