経験がなくても読めばできる。 読まなくても経験があればできる。

先日、アーネ(10歳)とジージョ(6歳)がそれぞれ料理をしました。アーネが牛丼、ジージョが厚焼き玉子です。

アーネは牛丼をつくった経験がありません。スマホでレシピを出し、それを「読んで」つくりました。
ジージョはこの時期、毎朝妻に厚焼き玉子をつくってもらうのを手伝っていました。

この日の朝は妻がおらず、「みててね」と言って卵を2個割り、牛乳と卵を加えて泡だて器のようなもので混ぜます。
卵焼き器に油をしいてキッチンペーパーでフライパン全体に油をなじませ、かすかに煙が出るくらいまで中火で熱します。
中火のままで、1/3の量の卵液を流し入れ全体に広げ、気泡ができたら菜箸でつぶし、半熟状になったら奥からフライ返しを使って手前に卵を巻きます。
巻き終わったら卵を奥にずらし、キッチンペーパーで油を塗り、再び卵液を1/3量流し入れ、全体に広げ、巻いた卵を少し浮かせて下にも流し入れ、再び奥に移します。
これをもう一度繰り返し、焼き上がったらキッチンペーパーの上に取り出して巻き、しばらく落ち着かせたら6等分して盛りつけます。

ジージョは玉子焼きをつくった経験があります。工程を「覚えて」つくります。ジージョは漢字が読めず、レシピがあったとしても読めません。それでも、ジージョ曰く「頭の中に入ってる」これだけの工程を覚えてつくることに驚きます。

経験がなくても読めばできる。
読まなくても経験があればできる。

経験がなくても読んでできるようになるには、包丁や電気コンロが扱えるといった基本機能が身についている必要があります。そうした機能が身についていれば、読むことができれば自分が経験したことのない料理でもつくることができる。

レシピには卵の巻き方のコツは書いていません。こういう身体的なレシピは実際にやってみて初めてわかるもので、アーネの牛丼はそうしたコツの必要のない料理でした。

実際にやってみた行為・身体の動き・コツは工程とともに「覚え」られ、つくる料理の幅を広げてくれるでしょう。

体験して覚えて、読んで、また体験して覚えて。

そうした営みの不思議さ、面白さを、アーネとジージョが見せた異なる料理の仕方に感じた次第です。
(※適当な写真がなかったので、ジージョが妻とつくったマロンパイの写真を貼りました)


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