手段が目的化しているプ譜の改善アドバイス
小学から大学までのPBLで児童生徒がプ譜を書くとき、プロジェクトの目標が手段を行うことになっているものがよくあります。
「●●の動画をつくりたい」「●●のイベントを開催したい」といった表現が獲得目標に書かれるのですが、手段とはプロジェクトの目標を実現するための道具・選択肢です。動画もイベントも最終的に実現したい目標の手段であるはずですが、児童生徒が書くプ譜には、その手段を「したい・やりたい」が優先してそれ以外の選択肢を検討していないことが多いです。
その手段が目標実現のために最適であるということをちゃんと考えて吟味して決定しているなら何の問題もありません。
でもその手段の見た目の華やかさや流行などから、なんとなく選んだという程度なら、これは気をつけなければなりません。
なぜかというと、その手段を目標に適合するように、文字通り手段として使いこなすのではく、その手段を使うことだけに注意がいきがちになるからです。そうしたプ譜は、その手段を使うためのマニュアルのようなプ譜になっています。
こういうプ譜は、その手段を使ったことだけに満足して、本来実現したかった目標の評価を忘れがちです。
手段を目標に適合させるように使うというのは、目標をムリヤリその手段に合わせるという意味ではありません。これは手段の目的化と同等、いえそれ以上に悪い結果を生みます。
手段を決定するときには必ずその手段の特性や基礎知識を理解しておかなければなりません。
それを行ってはじめて、自分の目標にその手段が最適かどうかを判断できるようになります。勝利条件を実現するためのプロジェクトの諸要素の「あるべき状態(中間目的)」を実現するために、どの手段を用いるのが最適か?という視点を持つことができれば、手段の目的化を防ぐことができます。
児童生徒がその手段を行うことにとらわれてしまっていると感じたら、次の問いかけを試してみてください。副作用が弱い順に書きます。
- 「目標を実現できたとき、みんなはどうなっていたいですか?」
- 「目標を実現できたとき、関わる人々にどうなっていてほしいですか?」
- 「その目標を実現するうえで、その手段は最も適していますか?」
- 「その目標を実現して立証したい仮説やモデルはなんですか?」
- 「その目標を実現してなにを解明したいですか?」
これまでの経験上、自分たちが採用する手段について考えていない児童生徒ほど、後ろにいくにつれて頭を抱え込み、考え込んでしまいます(この意味で副作用という言葉を使いました)。児童生徒によっては、後ろの質問の方が真に自分たちが行いたかったことの発見につながったりもします。
一概にどの問いかけ方が良いとは言えないのですが、手段にとらわれている視点を一度広げるための問いかけ方として使っていただければ幸いです。
また、こうした課題を回避するために、探究の授業でプ譜を使うためにすこし項目をアレンジしたプ譜をつくりましたので、よろしければお使いください。
