パパ、アーネは昔の人におこりたい~シニフィエとシニフィアン
三学期に入ってから続く歴史漫画の読書は、伝記にも広がるようになりました。
ある時アーネが、
「パパ、アーネは昔の人におこりたい」
と言うので、なんのことかと思ったら、
「昔の人が戦争をしなかったら、クリミア戦争も起こらなかった」
と言いました。ナイチンゲールの伝記を読んで言っているのですが、なんでそう思うのか聞いてみると、
「“戦争”ということを知らなかったら、戦争しないでしょ」
というようなことを答えました。
これは言語哲学者のソシュールが言うところの「概念(シニフィエ)」と「音声、文字(シニフィアン)」で、「記号とは、シニフィエとシニフィアンが表裏一体となって結びついたもの」という考えのprimitiveな発露やないか!と感じました。
戦争という言葉があったとしても、それがいわゆる鉄砲や戦車で人を殺すといった戦争のイメージと結びつかなければ、人は戦争をしようと思いつかない―。
ということをアーネは言いたかったのだと思います。(それでも人間は“戦争”的なイメージに、名前を与えるのでしょうが)
以上、親バカが最前線からお伝えしました。