書店で本と「目が合った」ことある?

先日、アーネ(小1)と図書館に行った時のことです。アーネはタッチパネル式の検索端末で自分の興味のあるワード(コナンとかゾロリとかおしりたんていとか)を打ち込み、該当書籍のあるレシートを出力してはその場所へ探しに行き、借りたいと思えるかどうか立ち読みし、少し引き込まれる内容であると、図書館のカートの下段部分に座り込み、熟読していました。
そうして一時間ほど図書館で過ごし、貸出しカウンターにいった時、アーネが「片づけ」に関する本を二冊借りていました。


この本は、マンガ形式になっており、子どもでも読める内容になっています。
日頃、私や妻から「出したものは片づけなさい」などと言われているせいか、ちょっと言い過ぎたかなと思い、「パパやママに言われてるから、この本を借りたの?」と聞いてみました。
すると、アーネは「ううん」と首をふり、

「目が合ったんだよね」

と言ったのです。

私はこの表現をとても興味深く感じました。

「目が合った」というのは、必ずしもアーネが「片づけの本を借りるぞ!」と明確な目的をもって、探していたということではありません。
一方、図書館側で「片づけ特集」というような片づけに関する書籍を集めた特別な展示を行っていたわけでも、棚をつくっていたわけでもありません。この日アーネは9冊本を借りていましたが、そのジャンルは、動物図鑑、『子ヤギが生まれました』という物語、ウンチに関する本2冊など、どれも片づけと関連していそうな本はありませんでした。
本を借りた人間も、貸す側の人間及び環境も、「片づけ」にかんする本を借りよう・貸そうと意図していないのに、ぐうぜん片づけの本を借りたというのは、まさに「目が合った」からとしか表現しようがないと感じました。

ここで大きく話を変えます。

アマゾンの無人店舗が最近話題ですが、ここで設計されているUX(ユーザーエクスペリエンス)に、来店者の購買・閲覧履歴に基づくレコメンドがあります。オンライン・オフラインを問わず、こうした「入手したデータ」に基づいたUXは既に多くの事例・方法論があります。しかし、店舗で人と商品の「目が合う」ような、セレンデップなUXを私たちはまだ提示できていません。

そんなUXの実現を、私は特に望むものではありませんが、考える価値のあるテーマなのではないかと思います。
子どもは本当に多くのモノゴトを私たちに気づかせ、教えてくれます。

以上、親バカが最前線からお伝えしました。

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