入院した娘に、利き手じゃなくてもできる遊びを考える

6月から7月にかけて3歳娘が入院しました。

入院前半期は24時間点滴を打つことになり、最初は利き手ではない左手に打っていましたが、途中から利き手である右手に打つことに。
ただでさえ点滴を打ちっぱなしで活発に動けないのに加え、これまで暇つぶしにしてきたお絵かき等で線が自分の思い通りに引けない。ハサミで上手に紙を切れないといったストレスで、キーッとしたり泣きべそをかいたりするのを見るのはツラいものです。

絵本を読んであげるのも、スマホでYouTubeを見るのも限界があるので、利き手ではなくても楽しめる遊びを探すことにしました。

■遊びと手の動きの関係から考える

利き手でなくてもできる遊びというのは、複雑な手の動きを求められない遊び、とも言えます。

そこで、娘が好きな遊びと手の動きを関連付けて書き出してみました。


・お絵かき、ぬり絵 ⇒書く(描く)、(紙を)押さえる
・ブロック ⇒積む、組む
・スマホ(YouTubeを見る) ⇒押す
・紙工作 ⇒(ハサミを)持つ、(ハサミで)切る、(のりを)塗る
・折り紙 ⇒折る、押さえる
・紙飛行機 ⇒折る、投げる
・ママゴト(人形) ⇒持つ、抱く、なでる、並べるetc…
・ママゴト(食べ物) ⇒注ぐ、拭く、持つ、包む
・知育玩具 ⇒回す、つまむ、ねじる、転がす、入れるetc…
・シールブック ⇒貼る、なぞる、書く(描く)
・オセロ ⇒置く、めくる
・楽器 ⇒引く、叩く、押さえる(ふさぐ)
・おはじき ⇒はじく
・ねんど ⇒のばす、こねる、ちぎる、まるめる


こうして並べて見ると、当たり前ですがスマホが圧倒的に簡単で、道具(ハサミ、鉛筆等)を使用する遊びというのは利き手でないと難しいことがわかります。

病室はベッド一台と食事用のテーブルがあるだけなので、広いスペースは使えず、音が大きい遊びはできません。
また、娘の年齢でできる遊びということや、好き嫌いといった条件もあります。

与えられた条件の中で私が選んだのが「オセロ」でした。


対象年齢を見ると6歳以上になっていますが、「はさんだら、ひっくり返る」というルールさえ覚えればきっとできると思い、ついでに集中力も養えるはず!と、我ながらナイスアイデアであると意気揚々と病院に出かけました。


が、


「2つ以上もはさむことができる」
「ななめにはさむ」

というルールが乗り越えられず、あっという間につまらなくなって終了。
オセロの楽しさを実感してもらうまでには至りませんでした。

で、結局新しく買ったミッフィーのぬいぐるみや、アナ雪のシールブック、おもちゃを女の子が解説するYouTube動画を見て、ながいながい一日を過ごしました。


で、後日。

一緒に寝泊まりしている妻の分と合わせて着替えを持っていくと、カーテン越しに妻と娘の楽しそうな声が聞こえます。

ベッドに広げられた沢山の小さな紙を見てみると、紙を小さくちぎってボールペンで書いた妻のお手製カルタでした。


カルタにはいろんな絵が描いてありましたが、その絵は娘といっしょに「“あ”のつくモノなんだ?」と考えながら描いていったのだそうです。

カルタは手の動き的に「めくる」だけで済み、また保育園でも「あっちゃんあがつく たべものあいうえお」という遊びを経験していたため、オセロのようにルールを教える必要がありません。

何より素晴らしいのは、「“く”がつくのは“くちびる”だ~!」と娘が考えながら一緒にカルタをつくったことです。

妻は保育士だからか、娘が赤ちゃんの頃からトイレットペーパーの芯とビー玉を使った手作りガラガラ?を創ったり、ダンボール箱をマステ等で切り張りしてダンボールハウスを作ったりしていましたが、今回ばかりは娘と一緒におもちゃ(カルタ)を作ったという豊かな体験に惚れなおした次第です。


あぁー、もうほんっと、、、


愛してるぜ!


■余談だが
手の動きが子供の成長発達にどんな影響を与えているかはわからないが、それができる状況にあるなら、様々な動きを要する遊びを与えたいものだと思った。

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