キロクがビジネス活動のスピードを早くする
私はこれまで、娘の成長記録を妻と共有する方法や、トークセッションの記録方法などプライベートの領域において、いかに楽に、早く記録するかを実践してきましが、営業施策を打ったり、展示会に出展したり、広告を出稿したり、受託案件を行ったりといったビジネス活動を進めていくにあたっても、記録は悩ましい問題です。
行った物事に対する記録と振り返りを行うことで、施策実施における手順や工夫。起こったミスへの対応といった数字に表れないナレッジを今後の活動に生かすことができます。
そこで今回はこうした記録することの態度を「キロクマインド」と仮称し、私が実際に行った事例を元に、そのメリットと実作業への落とし込み方について記事にしました。
■キロクマインドとは
まず、キロクマインドを便宜上、以下のように定義します。
「ビジネス活動において自身が行った施策、そこから得た成功失敗の経験、
社内外での議事録などを記録し、積極的に自身のビジネスに活用する態度や考え方」。
このキロクマインドを意識して実践すると以下のようなメリットがあります。
1.打ち出す施策のスピードが速くなる。
2.施策を打つためのコストを低減できる。
3.メンバー間のナレッジ共有が進む。
これを、今関わっているプロジェクトを例にとって解説します。
今回事例として取り上げるのは、テレビCM制作プロダクションを母体に持つ企業の新規事業で、映像制作経験や十分な予算を持たなくても高品質な動画を制作できるアプリケーション「1ROLL(ワンロール)」です。
本プロジェクトにおいて、2015年3月からアプリを使った動画撮影ワークショップを開催し、見込客を集めるという営業施策を展開したのですが、このワークショップの企画運営とその後の施策展開にキロクマインドを持って臨んだところ、施策実施のスピード面で大きなメリットがありました。
■なぜキロクマインドがあると施策スピードが速くなるのか?
ワークショップは見込み客を集中的に数多く集められるというメリットがありますが、そうなるためには集客が何より重要です。ぽっと出のサービスでは集客力はないため、自主開催事例を数回作ったら、その後は他社と共催していくことを計画していました。
他社にワークショップ共催を提案するには、そのワークショップがどういった内容で、どのくらいのタイムスケジュールで、どんな準備、進行が必要で、参加者の感想、メリットが何であるかをまとめた提案書が必要です。
またその提案書と同様に必要なのが、ワークショップを実施したという証拠=今回の場合ではオフィシャルサイトに掲載するレポートコンテンツでした。
そのため、ワークショップ実施前から以下のような準備、作業を進めることができました。
・レポートと提案書のフォーマットがイメージできていた。
・それに必要となるであろう写真素材イメージもあった。
・なので、こういうカットを撮ってほしいと撮影担当に伝える事ができた。
・レポートを作ることを事前に社内デザイナー、Web担当者に伝え、リソース確保しておいた。
・共催パートナーがあったら安心するであろう進行表、タスクリスト、備品リスト、アンケート等を全てドキュメント化し、運営マニュアルを作った。
で、これらの準備をした結果、
・ワークショップ開催翌日にはレポートページの原稿が作成できていた。
(木曜開催して社内承認を経て、月曜にアップ)
・ワークショップ開催翌週には他社と共催についての打合せを始められた。
・結果、3月に3回自社開催した後、4月に1回。5月に1回。6月に2回。7月に5回の共催が決まった。
・3月の自主開催中、1回目終了後に接触したワークショップ共催に興味を持つ企業が2回目のワークショップに参加し、その場で共催が決まった。
このように、次の施策を打つためのアウトプット作業を事前準備段階から進めたため、結果的に施策実施のスピードも成果が出るのも早くなったというのが今回の実例です。
逆にこのような作業を行っていなかった場合、多分以下のようなことになっていたと思います。
・使用する写真素材が指定しなかったため、適当に撮った写真から使いたい写真の選定に迷う。
・提案書は作れても、レポートページが上がらないため共催提案に行けない。
(行けたとしても、Webでの公開有無が信憑性に影響する)
・逆もしかりで、レポートページがあっても提案書がなければ共催提案にいけない。
・レポートページ作成のためのリソース確保をしていないと、他案件等で作業が後回しになる。
■キロクマインドをどのように実作業に落とし込むか?
この実例から、以下のような進め方をすればキロクマインドを実作業に落とし込むことができると思います。
1.何のための記録か? ~用途とターゲットの整理
・何に使うのか?
・誰に見せるのか?
・それを見た人にどうふるまってほしいのか?
2.アウトプットイメージ ~フォーマット作成
・レポート
・提案書
など、アウトプットをイメージして、テキストと写真を流し込めばいいフォーマットを予め作っておく。
3.どんな記録が必要か? ~要件指示、リスト作成
・写真、動画
・参加者の感想
・ドキュメント類
など、使いたい写真イメージをカメラ担当にリスト等にして伝えたり、アンケートを作ったりしておく。
4.キロク作業の実施
以上の3点を抑えておけば、記録作業もアウトプット作業もスムーズに進めることができるでしょう。
あとで、
「あ~、あの写真撮っておけばよかった!」
なんて後悔することもなくなるはずです。
ビジネス活動において、ブログやSNSでの情報発信が一般的に行われるようになった昨今、このようなキロクマインドは有用になっていくのではないでしょうか。
そんなキロク力を身に付けたいとう方は、キロク学会という活動もあるので、ぜひウォッチされる事をお勧め致します。
行った物事に対する記録と振り返りを行うことで、施策実施における手順や工夫。起こったミスへの対応といった数字に表れないナレッジを今後の活動に生かすことができます。
そこで今回はこうした記録することの態度を「キロクマインド」と仮称し、私が実際に行った事例を元に、そのメリットと実作業への落とし込み方について記事にしました。
■キロクマインドとは
まず、キロクマインドを便宜上、以下のように定義します。
「ビジネス活動において自身が行った施策、そこから得た成功失敗の経験、
社内外での議事録などを記録し、積極的に自身のビジネスに活用する態度や考え方」。
1.打ち出す施策のスピードが速くなる。
2.施策を打つためのコストを低減できる。
3.メンバー間のナレッジ共有が進む。
これを、今関わっているプロジェクトを例にとって解説します。
今回事例として取り上げるのは、テレビCM制作プロダクションを母体に持つ企業の新規事業で、映像制作経験や十分な予算を持たなくても高品質な動画を制作できるアプリケーション「1ROLL(ワンロール)」です。
本プロジェクトにおいて、2015年3月からアプリを使った動画撮影ワークショップを開催し、見込客を集めるという営業施策を展開したのですが、このワークショップの企画運営とその後の施策展開にキロクマインドを持って臨んだところ、施策実施のスピード面で大きなメリットがありました。
■なぜキロクマインドがあると施策スピードが速くなるのか?
ワークショップは見込み客を集中的に数多く集められるというメリットがありますが、そうなるためには集客が何より重要です。ぽっと出のサービスでは集客力はないため、自主開催事例を数回作ったら、その後は他社と共催していくことを計画していました。
他社にワークショップ共催を提案するには、そのワークショップがどういった内容で、どのくらいのタイムスケジュールで、どんな準備、進行が必要で、参加者の感想、メリットが何であるかをまとめた提案書が必要です。
またその提案書と同様に必要なのが、ワークショップを実施したという証拠=今回の場合ではオフィシャルサイトに掲載するレポートコンテンツでした。
そのため、ワークショップ実施前から以下のような準備、作業を進めることができました。
・レポートと提案書のフォーマットがイメージできていた。
・それに必要となるであろう写真素材イメージもあった。
・なので、こういうカットを撮ってほしいと撮影担当に伝える事ができた。
・レポートを作ることを事前に社内デザイナー、Web担当者に伝え、リソース確保しておいた。
・共催パートナーがあったら安心するであろう進行表、タスクリスト、備品リスト、アンケート等を全てドキュメント化し、運営マニュアルを作った。
で、これらの準備をした結果、
・ワークショップ開催翌日にはレポートページの原稿が作成できていた。
(木曜開催して社内承認を経て、月曜にアップ)
・ワークショップ開催翌週には他社と共催についての打合せを始められた。
・結果、3月に3回自社開催した後、4月に1回。5月に1回。6月に2回。7月に5回の共催が決まった。
・3月の自主開催中、1回目終了後に接触したワークショップ共催に興味を持つ企業が2回目のワークショップに参加し、その場で共催が決まった。
![]() |
ワークショップのレポートページ(これを全3回分作った) |
このように、次の施策を打つためのアウトプット作業を事前準備段階から進めたため、結果的に施策実施のスピードも成果が出るのも早くなったというのが今回の実例です。
逆にこのような作業を行っていなかった場合、多分以下のようなことになっていたと思います。
・使用する写真素材が指定しなかったため、適当に撮った写真から使いたい写真の選定に迷う。
・提案書は作れても、レポートページが上がらないため共催提案に行けない。
(行けたとしても、Webでの公開有無が信憑性に影響する)
・逆もしかりで、レポートページがあっても提案書がなければ共催提案にいけない。
・レポートページ作成のためのリソース確保をしていないと、他案件等で作業が後回しになる。
■キロクマインドをどのように実作業に落とし込むか?
この実例から、以下のような進め方をすればキロクマインドを実作業に落とし込むことができると思います。
1.何のための記録か? ~用途とターゲットの整理
・何に使うのか?
・誰に見せるのか?
・それを見た人にどうふるまってほしいのか?
2.アウトプットイメージ ~フォーマット作成
・レポート
・提案書
など、アウトプットをイメージして、テキストと写真を流し込めばいいフォーマットを予め作っておく。
3.どんな記録が必要か? ~要件指示、リスト作成
・写真、動画
・参加者の感想
・ドキュメント類
など、使いたい写真イメージをカメラ担当にリスト等にして伝えたり、アンケートを作ったりしておく。
4.キロク作業の実施
以上の3点を抑えておけば、記録作業もアウトプット作業もスムーズに進めることができるでしょう。
あとで、
「あ~、あの写真撮っておけばよかった!」
なんて後悔することもなくなるはずです。
ビジネス活動において、ブログやSNSでの情報発信が一般的に行われるようになった昨今、このようなキロクマインドは有用になっていくのではないでしょうか。
そんなキロク力を身に付けたいとう方は、キロク学会という活動もあるので、ぜひウォッチされる事をお勧め致します。