スポンサードワークショップの難しい”さじ加減”

ロフトワークが2014年3月12日に開催した「Experience Design 2014」(※以下、XPD2014)では、得るもの、考えさせられるものが多く、1本のエントリでまとめられないため、何回かに分けて消化したいと思います。

(1)難しいスポンサードワークショップの”さじ加減” ←※今回のエントリ※
(2)映画館での鑑賞体験を向上させる施策案(仮)
(3)ライブエンタメとしてのトークセッションと記録方法



午前中はUI、CXにおけるプレゼンテーションが行われ(※詳しくはロフトワークのレポートを)、午後からスポンサー企業(日本オラクル、のれん、サイトコアの3社)との分科会ワークショップが開催されました。

分科会はそれぞれ以下のテーマで参加者を募集。
・日本オラクル :O2O
・のれん     :コンテンツ
・サイトコア   :パーソナライゼーション

ワークショップ開催前に各担当者から自社ワークショップに参加者を募るための一言プレゼンがあったのですが、

“「映画」を題材に、「時・場所・人」のシチューエーションに合わせたコンテンツ最適化とマルチデバイス活用を、カスタマージャーニーマップを使ったワークショップで一緒に考えませんか。”

というメッセージに惹かれ、のれんさんのワークショップに参加する事にしました。
(以前、映画アプリの運営もしてたしな)


※ちなみに、日本オラクルのワークショップはタキザワケイタさんの下記ブログで詳しく紹介されていますので、こちらもご参考にどうぞ:
『XPD2014「日本オラクルWORKSHOP」レポート』



■企業の製品導入のためのワークショップという視点から

ワークショップの詳しい内容はロフトワークのレポートをご覧頂くとして、ここでは「企業の製品導入のためのワークショップ」という視点でレポートするゼッ。

カスタマージャーニーを作成するために事前配布された各シート

冒頭述べたとおり、このワークショップはロフトワークと“スポンサー企業”との分科会。

午前中に、frogのMr.Brandon、千葉工業大学の山崎先生、ロフトワークの棚橋さんから学んだCX、UXの内容を実践する回に当たる訳ですが、
結果的にスポンサー企業視点から評価した場合、このワークショップの評価は高くなかったのではないかと思われます。


そう思った理由を下記に述べます。

まず、ワークショップは以下のように進行しました。
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1.カスタマージャーニーマップの説明を行う。
 ここで参加者は映画館体験のリデザインを行うというミッションを与えられる。

2.カスタマージャーニーマップ作成のためのインタビューを参加者が1対1で行う。
 ここで「どんな時に映画館に行くのか?」「映画を見る前後に何をしていたか?」といった
 映画館での映画鑑賞体験に関連する様々な質問を行う。

3.インタビューした内容をマップに落とし込む。

4.作成したカスタマージャーニーマップを元に、“コンテンツ(解決案)”を作成する。
 ※時間が不足したため、ここまで辿り着いた人が少ないようでした。もちろん発表もなし。
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ユーザーのインタビューで現れるであろう不満やニーズには下記のようなものが上がったハズです。


・毎月1日は映画の日、毎週水曜はレディースデーで映画が安くなるから、スマホでプッシュしてくれるといい。

・以前、映画館のホームページで「いいね」を押したり予告編を閲覧した映画を上映している映画館近くに来たらプッシュ通知してくれた便利じゃない?

・映画館の中に行かなくても、周辺のデジタルサイネージ等で上映中の予告編を流してくれたらいいね。


こうしたニーズに対して、ユーザーのシチュエーション、時間や曜日といった要素、ユーザーが目にするデバイス等に合わせたコンテンツ提供がのれんのCMSで実現できます――。
という風に落とし込みたかったのではないでしょうか?

それが時間的な理由でそこまで落とし込めなかった事が評価が高くなかったのではないかと思った理由の一つ。

もう一つは、映画鑑賞におけるカスタマーエクスペリエンスを考えた場合、映画館での鑑賞は生活者にとっての優先度が高くないため、映画館での鑑賞体験を向上させようとすると、そのアイデアには必ずしもCMSに頼らなくていいものが多く出てくると思われるからです。
(※これについては別記事で説明したいと思います)


■悩ましいスポンサードワークショップのさじ加減

このワークショップを企業担当者視点で見た場合、悩ましいのはワークショップ内にどこまで自社製品を入れ込んでいくかと言うさじ加減でしょう。

今回のカスタマージャーニーマップ制作のように、ユーザーの「そもそも」ニーズや、whatではなくwhyから入る手法を用いる事で、自社製品がそれに役立つ/必要であると印象付けられることができれば、これは非常に有効なセールス手法であると言えます。

ただ、この手法は雑誌のタイアップ広告や流行りのネイティブ広告のようなもので、
自社製品のワークショップへの入れ込み(存在感)が弱いと自社製品のアピールが十分に行えなくなり、入れ込みすぎるとあざとくなったり、参加者があからさまだと感じてしまえば嫌われる可能性が出てきます。

別の分科会の日本オラクルの場合は、一見入れ込みすぎなところを「オラクルカード」というアイテムに置き換える事でユニークな印象を持たれ、確実に参加者の心に同社製品を印象付けたのではないかと思います。
(※オラクルカードについてはタキザワケイタさんのブログで詳しく紹介されていますので、こちらをご参考にどうぞ⇒ 『XPD2014「日本オラクルWORKSHOP」レポート』 )


以上のような感想をもったのれんさんのワークショップでしたが、最後に素敵なカスタマーエクスペリエンスを提供して頂きました。


今回のワークショップのアンケート用紙。


アンケート記入者の社名や住所を書く欄に、両面テープが貼ってある。


記入するのが面倒な場合、名刺を貼って下さいとのこと。


これエクスペリエンスあるな!
(用語の使い方違うか。。)

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