ITパパ会は育児という名の旅の途中で出会った男達の邂逅

今週、「ITパパ会」に初めて参加してきました。
翌日の確定申告の行列中に吐きそうになるくらい楽しく痛飲したのですが、何がそんなに楽しかったのか振り返ってみたら、「縁」のあり方について考えるようになりました。


■ITパパ会とは?IT系のパパ同士が集う食事会(飲み会)のことで、以下のテーマについて共有して楽しんでいます。
(1)ビジネスと家庭の両立は?
(2)4月からの子どもの入園、入学、進級、進学、でどのような心構えを持ったほうがいいの?
(3)子どもがいる中で起業・転職はできますか?


参加者は合計22人で、ちょっとした宴会規模。
昨年7月に独立してから今まで、このような飲み会の機会がなく、久々の飲み会で単純に楽しかったのですが、それ以上に、海外旅行中のバックパッカーが旅先で日本人に出会って飲み会をするような、そこはかとない郷愁感というか連帯感がなんとも心地よかったのです。


■大概のパパはママよりも育児の悩みの量も度合いも少ないから、「つながり機会」が少ない。

パパはママと違い、同じ境遇の人々との「つながり機会」がとても少ないです。
今、私の娘は4ヶ月ですが、「つながり機会」はITパパ会までに妻と私の間で以下のような差が生じています。

妻:産院主催の産後ヨガ教室、自治体の3ヶ月検診、地域の診療所での予防接種
私:なし

これを、「差」と言ってしまうと、妻からは「あなたも出ればいいじゃない」と反論されると思いますが、基本的に上記のようなイベントは平日、昼間に開催されるものが多く、日中仕事に行っている身としては、なかなか一緒に参加することができません。


同じ境遇の人々とつながるメリットは何でしょうか?

妻はこのような機会に接するまで、娘の成長度合いなどをとても気にしていましたが、
娘と同じ月齢頃の赤ちゃんを見たり、母乳のこと、赤ちゃんの成長ペースのこと、夜泣きのことなどについて、ママ達と言葉を交わしたりすることで、「みんなそんなに変わらないのね」と安心したり、
友達を作って一緒にママ向けヨガ教室に行く約束をしたりするのだそうです。

翻ってパパの場合は、このような機会が少ないことで、ビジネスと家庭の両立や、妻との関係や、育児の苦労話を共有できません。
(奥さんほど育児家事をこなす量が少ないのはわかってますよ!)

そもそも、行政や企業、病院などによるパパ向けの「つながり機会」の提供数がママ向けに比べて圧倒的に少ないのです。


■ITパパ会は、育児という名の旅の途中で出会った男達の邂逅

でもまぁそれが当たり前で、産後も変わらず仕事を続ける父親は、子どもと接する時間数の違いから、母親と比べて子ども対して抱く悩みや不安の量が少ないです。
言い換えると、母親は父親に比べて育児に関する諸問題の窓口であり、メインの担当者になることが圧倒的に多い。

こうした悩みや不安解消のためのプログラムはメインの担当者向けに作られていて、
その悩みのより弱い持ち主である父親向けには作られていません。
(書いてて思ったけど、メインの担当者向けではなく、サブ担当者としてできる事をまとめた講座があればいいのかな?)

ですから、ITパパ会では育児における切実な悩み相談というのは、私が話をさせて頂いた方との間では出なかったですし、「オムツは何がいい?」などの育児口コミ話などもしませんでした。

子供のどんな行為、言動にキュンキュンくるかとか、
娘にクサイと言われだしてショックだとか(これはある意味切実ですが。。。)、
奥さんのマネジメント(いかに機嫌良くいて頂くかとかいう軽いものw)どうしているかとか、

その感じが、男1人のバックパッカーが、「育児」という名の海外旅行中に日本人と出会い、
「ここまでどんなルートで来たの?」とか、「これからのたびの予定は?」とか、
その旅のエピソードを披露しあって楽しく飲む雰囲気に似ていたのです。


個人的には、子育ての話よりも、パパ自身に興味を持ちました。
自分と同じく起業している人の経験談は勉強になりますし、
起業していればこそ、何か一緒に協業できることはないかと、みなさんの自己紹介を聞くだけでワクワクしていました。

これは経験がないのでわからないのですが、
ママ向けの子連れイベントだと子どもに興味を持ってしまい、話題が子ども中心になってしまうことで、ママが互いに興味を持つことは少ないのかなと思います。


■「縁」のあり方は多様なほうがいい。

中国華僑には「親縁(血縁)」、「地縁(故郷、ご近所)」、「神縁(宗教)」、「業縁(事業、業界)」、「物縁(物品、商品等)」の五縁文化という“つながりの形”があります。
縁の種類に良し悪しはなく、それぞれがその時々に置かれた環境などにより必要とされる縁が違うでしょうが、縁の多様性を持っておくにこした事はないなと、ITパパ会を通じて感じました。

ITパパ会が楽しいのは、悩みが深くないからということ以外に、
つながりは作っても、つながり度合いが深くないことも楽しさの要因なのだと思います。
これがもし、通っている保育園が一緒だとか、クラスも一緒だとかいうと、
相手の情報が私の中で増えすぎて、付き合いの気軽さが損なわれるような気がします。

ITパパ会には、地元つながりが(私には)なく、子どもの年齢も下は妊娠中から上は高校3年生まで幅があるので、「パパ」でつながったとしても、同質性が少なく、それが楽しさにつながっていたと思います。

血縁は言わずもがな、地縁(学校、保育園でできる縁もここに含まれるでしょう。私立は別か?)はその時期がくれば強制的に組み入れられるものなので、
それ以外の縁を持っておくことが、適度な息抜きや新しい可能性を拓いてくれるはずです。

このブログの人気の投稿

子どもがよろこぶ「おはなし」の作り方

【著者解説動画有】『プ譜』とは何か?概要とテンプレートを紹介します。

高崎線の四人ボックス席で帰るプロジェクト 後編