30年前に父がつくった会報を、AIと一緒に作り直した話
中3のアーネが卓球の地区大会でベスト4に入り県大会出場を決めた。
自転車をこぎながら帰宅する途中で、不意に父がつくっていた『ピンポン』が浮かんだ。
『ピンポン』とは父が地元の卓球協会で定期刊行していたB3サイズの会報のことだ。私は卓球愛好家の父の試合についていく中で自然と中学は卓球部に所属した。中学の地区大会で私が初優勝したとき、父はその様子を『ピンポン』にしたためた。
そのアイデアを手にしたまま父に連絡をせず数日たった後、「いや、自分で書けばええやん」と思い直した。
ちょうど父の日が近く、贈り物といっしょに届ければ喜んでもらえるんじゃないかと思い、母に電話して「お父さんに内緒でピンポン探して送ってくれへん?」と頼んだ。
届いたピンポンをスキャンしてデータ化し、題字をトリミングしたり私のイラストをベースにAIで「トロフィーを賞状にして」などと指示を出してイラストをつくった。文体は父のものに似せて自分で書いた。
父がいつまで『ピンポン』を刊行していたのか、今も続けているのか確かめてはいないのだが、協会の高齢化や少人数化で多分出していないだろうと思い、「特別復刻版」と記した。
私のときは「前田ジュニア」だったが、アーネは父の孫なので「グランドドーター」としたが、もっとスマートな表現はなかったものか…など、大満足という出来ではなかったが父の日の贈り物とともに送った。
父の日の贈り物が届いたと父からの電話を受けた日、私たちはかなり久しぶりに長電話をした。


