問答・対話を通じて“自らわかる”子ども
最近考えている子どもの「なんで?」や子どもとの問答に関連して、問答の中で子どもが自らわかっていくという例を紹介します。
わが家の古いアパートにある給湯器のスイッチ。
わが家の古いアパートにある給湯器のスイッチ。
お風呂も台所のお湯も、これがメインスイッチ。
スイッチを入れて、お風呂のお湯の蛇口をひねると、赤いランプがつく。
これまで時々、アーネにお風呂に入る前に、「お風呂のボタンを押して」と押してもらっていました。
ある日、私が台所でお湯を出して食器を洗っていた時に、ランプを指して、
「なんで、おふろじゃないのに、あかいろがついているの?」
と尋ねました。
この質問に対して、「あの給湯器は風呂も台所にも使われているのである」と答えるのは簡単です。
ただそれだと自分で考えることにつながらないので、こう答えます。
ア 「なんで、おふろじゃないのに、あかいろがついているの?」
私 「(台所の蛇口と給湯器を交互に見せて)蛇口を左(お湯)に回すと赤くなる。蛇口を右(水)に回すとどうなってる?」
ア 「こっち(右)だとあかくならない」
私 「(給湯器の電源を消して)これだと蛇口を左(お湯)に回しても赤くならない。」
ア 「(わかったァ!という表情で)おふろだけじゃないんだね!」
という問答を毎度毎度やっているワケではありませんが、教えられ・教えてもらって覚えるのではなく、対話・問答を通じて自らわかった、ということが大事なのではないかと思われます。
その場で教えてしまうのはラクであり、問答するのは時間がかかります。
加えて、人間には教えたい欲というようなものもあります。
(参考 『教えるという行為は、善なる気質ではなく、欲・エゴなんじゃないの?』)
そこを時々グッと堪えて、子どものやわらかい思考の新芽を育てるような気持でつきあうと、子どもにとっても親にとっても、すばらしい発見や体験になるんじゃないかなぁと思う今日この頃であります。
以上、親バカが最前線からお伝えしました。
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