技術書典振り返り:小4娘の振る舞いに感心した話
初の技術書典は、小4のジージョといっしょにお店に立ちました。
中2のアーネとはコロナになる前、年に数回「なんで?ワークショップ」という子どもの「なんで?」をテーマにしたイベントや、地域の子どもたちが地域の魅力を動画で発信する動画制作ワークショップなどに連れ出していました。
しかし、コロナ後はそうした機会は一切なくなり、ジージョにそうした大勢の他者と触れ合う機会を提供できていませんでした。
今回の技術書典がそうした機会になればと思い、ジージョを連れ出したのです。もちろん無理矢理にではなく、ジージョの「行きたい」という意思があってのことです。
店頭では以下のように役割分担しようとジージョと話していました。
・書籍の説明や決済、お金のやり取りは私。
・買って下さった書籍を手渡しするのはジージョ。
人足がまばらな頃は上記の分業でやれていたのですが、徐々に店頭に足を止めてくださる人が増え、私がある方の応対をしていて他の方まで手が回らなかったとき、ジージョが「見本誌をどうぞ!」とその方に手渡してくれたのです。
さらに人が増え、明らかに書籍を購入してくれようとしている方がいるのに、私が別の方の応対をしていたとき、ジージョが「かんたん後払い」のQRコードが記載されたポップを手にして、その方に「どうぞ」とそっと差し出していたのです。
「かんたん後払い」とは、技術書典運営事務局が提供する公式の決済方法です。 購入者は専用アプリを使ってQRコードを読み、オフライン開催後にまとめて支払いできます。 支払時はAmazon Pay、PayPal、Stripeなどで払えます。(技術書典公式ブログより)
私はこれらのジージョの一連の振る舞いにいたく感心しました。嬉しくも思いました。
ともすれば、気後れしてじっとしている可能性もあるなか、なぜこのように振舞えたのかはわかりません。ジージョには「ありがとう」と伝えただけで、その理由を聞くこともしていません。
ただ私は仕事をしている人間として、予め定められた分業の範囲外のことは黙して行わないような人にはなるまいと思ったのです。(もちろん、その仕事の内容によりますが)
なかなか売れない時間が続いたときは「売れないね…」とつぶやいたり、「あと何冊ある?」と数えたりしていましたが、30冊を切ったころから持参したホワイトボードに残りの冊数を書いて、販促をしてくれました。
ジージョは購入くださった方に手渡しするとき、大きな声で「ありがとうございます!」と言い、立派に売り子を務めてくれました。
受け取ってくださった方もジージョに微笑んでくださったり、ジージョの顔を見て「ありがとうございます」と言ってくださったりして、ジージョはとても喜んでいました。
大人のイベントに子どもが紛れ込んでいることに対し、良く思わない方もいるのではないかと心配していたのですが、そうしたことを感じることはみじんもなく、それもこれも技術書典運営者のみなさまが、会場の良い雰囲気づくりに腐心くださったり、アンチハラスメントの情報発信をしてくださったりしているおかげではないかと思います。心より感謝申し上げます。
おかげさまで書籍は完売。