『家庭にプロジェクト管理ツールを導入してみた』の、平愛美さんにお会いしてきました。

先日、はてなブログ及びTwitter界で、「IoT母ちゃん」或いは「家庭にプロマネツールを導入(した母ちゃん)」と言えば、知らぬ人はいないであろう、mana_catさんこと、平愛美さんと、「プロジェクト×育児」をテーマに対談させて頂きました。


平さんとの面識は過去になく、ある日、「プロジェクトマネジメント、家庭」で検索した時にヒットした、今や伝説となっている平さんのブログ記事『家庭にプロジェクト管理ツールを導入してみた』を拝見し、Twitterでフォローさせて頂いていただけでした。
今回、拙著『予定通り進まないプロジェクトの進め方』を刊行するにあたって、ぜひお話したいお一人として、思い切ってお願いしたところ、快諾を頂けたのです。
「プロジェクト×育児」をテーマに対談するにあたり、ネタとして小学一年生になるアーネの、「朝、学校に行きたくない問題」のプ譜を書きました。
(※プ譜については、版元の宣伝会議のこちらの記事をご参考下さい)

拡大してご覧下さい

アーネ及びわが家の現在の問題は、「学校に行きたくない」ということと、「朝、7:30までに登校班の集合場所に到着しなければならない」ということです。

朝起きると、シクシクと泣き、時間に間に合うようあれやこれやと手を出し口を出し準備をさせ、トボトボと家を出ていくのを見るのはなかなかツライものです。

どこまで本当のことを言っているのかわかりかねますが、「学校の勉強がつまらない」のが一番らしく、もっと理科の実験や工作があると思っていたのに、そうした授業がとても少ない(※そもそも一年生に理科の授業はないしな。。)

保育園時代は7:30まで寝ていてもOKだったのが、一時間早く起きねばいけない。もっと寝ていたいという理由もある。また、クラスには一人も保育園時代の友達がいない(一学年75人中、4人しか同じ保育園の友達がいない)などなど。
ただ、いざ行ってみて、「学校どうだった?」と聞いてみると、「生活の学校体験がたのしかった!」と元気に答えるので、深刻な問題とはとらえていませんが、朝のシクシクとトボトボはどうにかしたいところ。

この問題を解決するために書いたのが上図のプ譜で、平さんからは目から鱗の、自分では思いつかなかったアドバイス、知らなかった情報を頂きいたのですが、肝心の内容はぜひ対談コラムを待たれたし!ということで、ここでは「認知リソースの低減」「他者の視点を借りる」という二つのことについて、思うことがあったので、それを書き残しておきたいと思います。

今回、私はアーネの「学校に行きたくない問題」をプ譜にして、平さんはそれを見てアドバイスをくださいました。
考えたいのは、プ譜という可視化された媒介物の存在です。

通常、「学校に行きたくない問題」は、母親同士が登園班の集合場所で子どもたちを見送った後に道端で立ち話をしたり。父親が飲み屋や営業の行き帰りの電車内で話したりするようなものだと思います。
人が「口でする話」を、「耳で聞く」。人の話を聞いて、適切に対応するというのは、普段当たり前のように行っておりますが、けっこう難しいことだと思います。
話をする人が問題を把握できていて話をしていれば、話を聞く側の負担は少ないかも知れませんが、話す前から問題をきちんと把握できている人はそう多くありません。普段なんとなくモヤモヤと頭に浮かんでいることを、話す機会のある時に話す。
話を聞く人も、チャットのように高速で流れてくる言葉にさらされると、その一つ一つに対応・返答してしまいがち。
もちろん、そうした方法でも解決できる内容であれば問題は何もありません。
ただ、今回このプ譜を平さんにお見せした時、平さんが「これを見てすぐ思ったんですが・・・」と口にされたのが、とても印象的で、耳に残ったのです。

プ譜という媒介物には、問題の構造(問題に対して、こういう手を打とうという私の考え)が書かれています。それを見て、打ち手の一つ一つにアドバイスをしてくれたことは、ひょっとしたら平さんの認知上の負荷を下げたのではないかと思いました。
これは平さんにもあらためて伺ってみたいことですが、(問題を)構造化して見せるプ譜の特徴を、いみじくも私自身の問題を通じて実感しました。

プロジェクトにおいても、ただMTGの内容を議事録に落とすだけでは、問題が構造化されているとは言えません。以前、ロフトワーク社で行わせて頂いたプ譜のワークショップで、OpenCUの長者原康達さんが設定してくれた、「プ譜を議事録として使用する」というアイデアが、ここで存在感を増してきました。


プ譜を使ったワークショップでは、お互いに書いたプ譜を説明し、最善手を探す「感想戦」を行っており、今回の対談では私のプ譜しかなかったため感想戦の形式ではなかったものの、平さんの経験・価値観などから、自分では気づけなかった打ち手や、知らなかった情報を教えてもらえることのメリットもあらためて感じました。
プ譜という媒介物がなく、口で話し耳で聞くだけでは、「他者の視点を借りる」という感じがしないですが、プ譜という外在化された表現を目にすることで、平さんという「他社の視点を借り」ることができ、問題への対応方法をより具体的にわかりやすく与えてもらうことができたのではないかと思います。

日常生活でプ譜を書いて話に望むということはまずありませんが、少なくとも提案営業やシステムの要件定義など、仕事の打合せなどでは有効なツールになるんじゃないかなぁと思った次第です。

対談記事の公開は6~7月になる予定ですので、どうぞ楽しみにお待ち下さい!


このブログの人気の投稿

オラリティとリテラシー。~子どもが世界を知る二つの経路

著者が解説『プ譜』とは何か?概要とテンプレートを紹介します(動画あり)

高崎線の四人ボックス席で帰るプロジェクト 後編