かんがえたうたをわすれたくない娘に、人間の根源を見る

これは子どもが等しく備え持つ特性だと思うのですが、アーネ(5才)は時々、人間を人間たらしめてきた欲求や渇望の根源のような言葉を口にします。

アーネは歌や踊りが大好きで、保育園で習ってきたものや、自分で考えたという歌をよく歌って踊っています。
(参考 『子どもが口ずさむ歌の創作の秘密が気になって仕方ない』

そんなアーネが4才の秋に、

「かんがえたうたをわすれないように、うたをかくほんをかってほしい」

と言いました。

おえかきちょうなら家にあるので、それがなくなったのかと思ったのですが、ソレじゃない。
「おんがくをかくのがあるじゃん」と言うので、あぁ五線譜のことかとわかり、その週末に五線譜を買いにいきました。


なんで五線譜のことを知っているのかたずねると、テレビで6才の男の子が五線譜を使っているのを見たからなのだそうです。


この出来事で心を打つことは二つあります。

一つは、アーネがあたまのなかで考えた歌詞を、それを忘れないように記録し、残してておきたいと願うようになったこと。
子どもが自分の感じ、考えたことを何とか文字記号に翻訳しようと努力すること。それを虚しく消失させてしまわないで、目で見て、手に取れるモノに刻みこみたいという、人間の「根源」のようなものを感じたからです。

もう一つは、この情報を残すという行為に臨んで、メロディーなら五線譜。将棋なら棋譜。野球ならスコアブックというように、人間が情報を記録しておくのに最適な方法を編みだしてきたのだということ。

私はトークセッションの雰囲気や様子をよりよく伝えるための手段を一時考えたことがあり、情報を記録して表現することに少なからず興味をもっておりますが、詩でも俳句でも、演劇でも漫才でも、それを書く人が書きやすく。見る人が見やすく、演じやすくする工夫を思うと、熱きものがこみ上げてくるのを禁じ得ません。
(参考 『キロク学会で新しいトークセッションの記録方法『話譜』を実践してきたよ』


ところで、アーネは音楽教室に通っておらず、わが家にはそもそも楽譜というものがありません。
そんなアーネが五線譜にどうやって、「かんがえたうたをわすれないように」書いたのでしょうか?


・・・なんかちがうけど、コレでいいのだ!!

以上、親バカが最前線からお伝えしました。

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