アーネ(小1)とプ譜を使ってプロジェクトの「振り返り」をする。

先月、奈良県に動画制作ワークショップを行いにいくにあたり、主催者の許可を得て、小1のアーネを動画制作の助手として帯同しました。
(参考 『小一娘を動画ワークショップの助手にするプロジェクト in 奈良』


そして、動画制作の助手になるために、アーネと私はこのプロジェクトを成功させるためのプ譜を書きました。(プ譜についての詳しい解説はこちらの記事『プロジェクトはそもそも計画通りにいかないようにできている!?』宣伝会議アドタイをご覧下さい)


プ譜は最初(第一局面)に記述した筋(プラン・ストーリー)が適切であったかどうかを、施策実施後に遭遇した事象や獲得した情報をプ譜に書き込んでいきます(第二局面)。その後、当初の筋通りに進めてよくなければ、施策や中間目的の変更・修正などを記述し(第三局面)、その結果をまた書きこんでいく(第四局面)・・・といったふうに、将棋の棋譜のような感じで重要な局面ごとにプ譜を更新しながら、プロジェクトを進めていきます。

今回、アーネが動画ワークショップの助手になるプロジェクトになるにあたって、書いたプ譜がこちらです。



そして、帰りの電車でこのプ譜を使って、今回のプロジェクトの振り返り(プ譜では将棋に倣って「感想戦」と呼んでいます)を行いました。

振り返りの手順は以下の通りです。


  1. 最初に書いたプ譜と、スマホで撮影したその時の写真を出す。
  2. それらを見ながら、勝利条件→中間目的→施策の順番で、私がアーネに記述したことが果たせたかを聞いていく。
  3. アーネが答えた内容を吹き出しで書きこんでいく。
  4. 問答の内容が本筋からずれてきたら、余白の部分に書き込んでおく


そうして、できあがったプ譜がこちらです。
通常は文字だけでプ譜を作りますが、写真を撮ってあったので、記述内容に関連する写真を貼付しました。



まず、プロジェクトの勝利条件とした「お姉さんたちが“ありがとう”って言ってくれる」は果たせたでしょうか?



「ありがとう」と言ってくれたそうです(笑)。
よかった!

次に、なんでありがとうって言ってくれたのか?を聞くために、中間目的に移ります。アーネが設定した中間目的は、「(動画制作に使用するソフトの操作を)いっぱいおぼえる」、「わからないひとにおしえてあげる」、「げんきにあいさつする」の3つでした。



「わからないひとにおしえてあげる」については、「大学生の人は、パパ(私)が操作方法を口で説明しただけでわかっていた」ので、あまり自分の出番はなかったと感じたそうです。「げんきにあいさつする」については、「最初、あんまりできなかった」そうですが、講座中に仲良くなるための鶴の折り紙を折ってプレゼントしたり(これはちょっと迷惑だぞ・・・)、講座終了後におやつのミスタードーナツの配膳を手伝うなどして、仲良くなれたそうです。

中間目的の次は施策を見ていきます。



「(ソフトの操作方法を)いっぱいおぼえる」ために、使い方だけでなく、「上手な撮り方」を私はアーネに教えてありましたが、それが実践できたかどうかを聞くと、「動いているものを撮る。動かないものは自分が動く。しっかり見せたいものは近づいて撮る」といったことを覚えていました。
その時に撮影した動画のキャプチャも貼っていきます。


この問答の中で、「うまくおしえるってどういうことだ?」という話になり、アーネの担任の先生の教え方とパパ(私)の教え方はどう違うのかという「比較」をしてみました。この時の話が面白かったので、これは後日あらためて書きたいと思います。


今回のプロジェクトは、朝5:00に起床し、埼玉県行田市から電車を乗り継ぎ奈良県天理地方まで4時間かけて行き、一回り、二回り年の離れた初対面の人びとに動画の撮り方を教えるという、アーネにとって初めてのビッグプロジェクトでした。
この成果にアーネは自信をもってよく、何かくじけそうなことがあっても、自分はこうやって一つのおおきなことを成し遂げたという拠り所のようなものになればいいなぁと思いました。そこで、アーネの学習スペースにA3大でプリントしたプ譜をマスキングテープで貼りつけることにしました。


この経験がアーネの今後に生きる糧になることを願う一方、受け入れて下さったNPO法人日本無形文化継承機構(ジッカ)事務局長の前嶋文典さんはじめとする皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

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