『今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則』の著者、仲山進也さんにお会いしてきました。
先日、『今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則』の著者、仲山進也さんにお会いしてきました。
仲山さんに会うに至ったプロセスが少々長いので時系列で書きだします。
長尾さんとのお話の中で、「変化しているリーダー像(賢者風リーダーから愚者風リーダーへ)」を知り、拙著では触れなかった「「プロジェクトにおけるリーダーシップ」について、勉強会を開催させて頂くことになったのですが、仲山さんの著書を読み、「プロジェクトにおけるチームビルディング」も大事だと思い、同様の依頼をさせて頂きました。
勉強会の内容は、チームビルディングとは少しテーマを変えて、仲山さんの新著のテーマである「個人の働き方」とプロジェクトをテーマにすることになったのですが、詳細はまた後日告知するとして、ここでは『今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則』を読んで、「チームのステージ」と「プロジェクトのステージ」について考えたことがあったので、ブログに残しておきたいと思います。
●チームの成長4ステージ
仲山さんは本書でチームの成長プロセスには「4つの成長ステージ」があると言います。
これをプロジェクトに引き寄せてとらえると、新規事業など新しいプロジェクトがスタートし、各所からメンバーが集められる時が、最初のフォーミングにあたります。
この時期、勝手知ったるメンバーでなければ、プロジェクトチームは互いのことがよくわからなかったり、これから向かっていくプロジェクトの未知さなどに不安になっていたりします。
フォーミングの次に来るのがストーミング期で、意見の対立や衝突が起こり、悪くなったチーム状態を元に戻そうとする意識・力が働くのだそうです。しかし、これを元に戻してしまうことはチームの成長を後戻りさせてしまうことになります。
この時期を乗り越えることができないと、チームメンバーは、「自分に与えられた仕事をやるだけ」で、「他人の仕事を手伝おうとせず」、「大変そうだから手伝うよ」とか「みんなで一緒に力を合わせて乗り切ろう!」というような、チームが成長するチャンスを逃してしまうのだそうです。
このストーミングをいかに乗り越えて、ノーミング、トランスフォーミングに進んでいくかは、ぜひ本書をご覧頂くとして、このブログでは、チームを離れて、プロジェクトそのもののステージについての考えを述べたいと思います。
チームに成長ステージがあるように、私はプロジェクトにもステージがあると考えると、プロジェクトを進めやすくなるのではないかと考えます。
プロジェクトのプロセスとは、「未知を既知に塗り替えていく」プロセスです。既知はルーチンと言い換えてもよく、未知の仕事をルーチンの仕事にしていくことととらえると、わかりやすいかも知れません。
この未知を既知に塗り替えていくにあたり、スタート時はどんな手がアタるかわかりませんから、なるだけ「豊かな選択肢」を持つことがポイントになります。「この手しかない!」、「この仮説が最も効率的で正しい」といったふうに、「貧しい選択肢」しか持っていないと、その手が外れた時、目標へのルートを絶たれてしまうことになります。
この時、豊かな選択肢一つ一つに多くのリソースと時間を割くことはできないため、小さく早く進める(失敗して軌道修正する)必要があります。
これをプロジェクトの第1ステージとするなら、第2ステージでは最初に描いたプロジェクトのプランや立てた仮説を実行した結果、遭遇する事象や想定外への対応が問われます。仮説通りに順調に進んでいれば、そのまま進めるか、見込みのない手を切って、うまく進んでいる手筋を強化していくことになります。しかし、想定外の情報や事象にどう対応していくかは、その後のプロジェクトの進行に大きな影響を与えることになります。
これはチームビルディングにおけるストーミング期に似て、異分子や混乱を排除するのではなく、どう活かすことができるかを考えることが肝要です。ここまでのステージは、デザインシンキングでいえば、発散的思考の状態にあたると思います。
これらの試行錯誤を繰り返した結果、プロジェクトは第3ステージに向かいますが、ここで大きく2つの方向に分かれます。一つは、打つ手が順調で、だんだんと選択肢が少なくなり、プロジェクトがルーチン(当初想定したゴール)に向かっていくもの。もう一つは、当初のプロジェクトの勝利条件を変更したもの(或いは変更を迫られたもの)です。
プロジェクトに未知の要素が多ければ多いほど、事前の計画では情報が充足することが少なく、やってみて初めてわかることが多いものです。そうしたプロジェクトでは、予めプロジェクトの勝利条件を決めきることが難しい。やってみて初めて、当初の目論見通りには進まないことを知ることになります。そこで当初のプランや勝利条件に固執すると、現実との乖離が起こり、プロジェクトのツジツマが合わなくなります。そうならないためには、プロジェクトの勝利条件を更新せねばなりません。そうして、プロジェクトは一旦終わりを迎えるか、また新しいプロジェクトとして先に進んでいきます。
こうしたプロジェクトのステージがあることを踏まえ、踏み込んで考えたいのは、チームの成長ステージや個人の働き方のステージと、プロジェクトのステージをうまく合致させていくことができれば、プロジェクトをよりうまく進めていくことができるのではないか?ということです。
この問いについては、後日予定している仲山さんとの対談や勉強会で議論・学んでいきたいと思います。どうぞ楽しみにお待ち下さい。
仲山さんに会うに至ったプロセスが少々長いので時系列で書きだします。
- 2018年4月29日、知人のチキンナカタの中田直希さんが、Facebookに連休に読む本として、『今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則』、『完璧なリーダーはもういらない』、拙著『予定通り進まないプロジェクトの進め方』の三冊を並べて投稿してくれる。
- 同日、長尾さんと中田さんのFacebookコメント上で友達になる。
- 5月07日、長尾さんに会いに行く。
- 5月08日、長尾さん宅で伺ったリーダーシップの話と、PBLの話をブログに書く。
- 同日、中田さんが私のブログをFacebookでシェアする。
- その投稿に、仲山さんがコメントされたのをキッカケに、またもや中田さんのコメント上で、仲山さんと友達になる。
- 5月25日、仲山さんにお会いする。
長尾さんとのお話の中で、「変化しているリーダー像(賢者風リーダーから愚者風リーダーへ)」を知り、拙著では触れなかった「「プロジェクトにおけるリーダーシップ」について、勉強会を開催させて頂くことになったのですが、仲山さんの著書を読み、「プロジェクトにおけるチームビルディング」も大事だと思い、同様の依頼をさせて頂きました。
勉強会の内容は、チームビルディングとは少しテーマを変えて、仲山さんの新著のテーマである「個人の働き方」とプロジェクトをテーマにすることになったのですが、詳細はまた後日告知するとして、ここでは『今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則』を読んで、「チームのステージ」と「プロジェクトのステージ」について考えたことがあったので、ブログに残しておきたいと思います。
●チームの成長4ステージ
仲山さんは本書でチームの成長プロセスには「4つの成長ステージ」があると言います。
- ステージ1 フォーミング(形成期)
- ステージ2 ストーミング(混乱期)
- ステージ3 ノーミング(規範期)
- ステージ4 トランスフォーミング(変態期)
これをプロジェクトに引き寄せてとらえると、新規事業など新しいプロジェクトがスタートし、各所からメンバーが集められる時が、最初のフォーミングにあたります。
この時期、勝手知ったるメンバーでなければ、プロジェクトチームは互いのことがよくわからなかったり、これから向かっていくプロジェクトの未知さなどに不安になっていたりします。
フォーミングの次に来るのがストーミング期で、意見の対立や衝突が起こり、悪くなったチーム状態を元に戻そうとする意識・力が働くのだそうです。しかし、これを元に戻してしまうことはチームの成長を後戻りさせてしまうことになります。
この時期を乗り越えることができないと、チームメンバーは、「自分に与えられた仕事をやるだけ」で、「他人の仕事を手伝おうとせず」、「大変そうだから手伝うよ」とか「みんなで一緒に力を合わせて乗り切ろう!」というような、チームが成長するチャンスを逃してしまうのだそうです。
このストーミングをいかに乗り越えて、ノーミング、トランスフォーミングに進んでいくかは、ぜひ本書をご覧頂くとして、このブログでは、チームを離れて、プロジェクトそのもののステージについての考えを述べたいと思います。
チームに成長ステージがあるように、私はプロジェクトにもステージがあると考えると、プロジェクトを進めやすくなるのではないかと考えます。
プロジェクトのプロセスとは、「未知を既知に塗り替えていく」プロセスです。既知はルーチンと言い換えてもよく、未知の仕事をルーチンの仕事にしていくことととらえると、わかりやすいかも知れません。
この未知を既知に塗り替えていくにあたり、スタート時はどんな手がアタるかわかりませんから、なるだけ「豊かな選択肢」を持つことがポイントになります。「この手しかない!」、「この仮説が最も効率的で正しい」といったふうに、「貧しい選択肢」しか持っていないと、その手が外れた時、目標へのルートを絶たれてしまうことになります。
この時、豊かな選択肢一つ一つに多くのリソースと時間を割くことはできないため、小さく早く進める(失敗して軌道修正する)必要があります。
これをプロジェクトの第1ステージとするなら、第2ステージでは最初に描いたプロジェクトのプランや立てた仮説を実行した結果、遭遇する事象や想定外への対応が問われます。仮説通りに順調に進んでいれば、そのまま進めるか、見込みのない手を切って、うまく進んでいる手筋を強化していくことになります。しかし、想定外の情報や事象にどう対応していくかは、その後のプロジェクトの進行に大きな影響を与えることになります。
これはチームビルディングにおけるストーミング期に似て、異分子や混乱を排除するのではなく、どう活かすことができるかを考えることが肝要です。ここまでのステージは、デザインシンキングでいえば、発散的思考の状態にあたると思います。
これらの試行錯誤を繰り返した結果、プロジェクトは第3ステージに向かいますが、ここで大きく2つの方向に分かれます。一つは、打つ手が順調で、だんだんと選択肢が少なくなり、プロジェクトがルーチン(当初想定したゴール)に向かっていくもの。もう一つは、当初のプロジェクトの勝利条件を変更したもの(或いは変更を迫られたもの)です。
プロジェクトに未知の要素が多ければ多いほど、事前の計画では情報が充足することが少なく、やってみて初めてわかることが多いものです。そうしたプロジェクトでは、予めプロジェクトの勝利条件を決めきることが難しい。やってみて初めて、当初の目論見通りには進まないことを知ることになります。そこで当初のプランや勝利条件に固執すると、現実との乖離が起こり、プロジェクトのツジツマが合わなくなります。そうならないためには、プロジェクトの勝利条件を更新せねばなりません。そうして、プロジェクトは一旦終わりを迎えるか、また新しいプロジェクトとして先に進んでいきます。
こうしたプロジェクトのステージがあることを踏まえ、踏み込んで考えたいのは、チームの成長ステージや個人の働き方のステージと、プロジェクトのステージをうまく合致させていくことができれば、プロジェクトをよりうまく進めていくことができるのではないか?ということです。
この問いについては、後日予定している仲山さんとの対談や勉強会で議論・学んでいきたいと思います。どうぞ楽しみにお待ち下さい。