四人で一年を物語り、質問しあう「振り返り会」

みなさん、新年おめでとうございます。
この年末年始はしっかり休みを取って充電されていることと思いますが、2017年最初のエントリは、何かを始めたら行っておきたい「振り返り」について。

2016年12月28日に、知人の嶋田さんに誘って頂き、アニータ・ブラウン氏&デイビッド・アイザックス氏の「ワールドカフェ」をベースとした振り返り会に参加しました。

この振り返り方の詳細はリンク先の記事を読んで頂くとして、概要はこんな感じです。

振り返りシート(記入前)


1.自分の一年を専用のシートを使って記述する。
2.四人一組で、一人30分ずつ、シートを用いて物語る。
 (リンク先の記事は60分だが、今回は時間の都合上30分に)
3.三人はその内容に対して質問や投げかけを行う。
4.残り時間が5分程になったら、発表者はもらった質問などを元に感想を述べる。

振り返りシート(記入後)

私はマイブックという文庫本サイズの日記メモ帳を使い続けており、巻末にある「あとがき」で一年を振り返っておりますが、この「一人日記式振り返り」と、「四人シート式振り返り」を比較すると下記のようなメリットがあります。



●シートを使用することで
・俯瞰的に一年間のプロジェクトや自分の動きなどを眺めることができる。
・俯瞰的に見えることで、どの動きや打ち手が効果的だっかかがわかる。
 (その逆も同様)
・迎えにいった偶然とやってきた偶然が整理できる。
 (あの時まいていた種が・・・、ってヤツに気づく)
・キーパーソンも記述することで、人物の重要度、関連性も再認識できる。
 (重要と認識していなかったけど、実は重要だった人がわかる、というのは大事)

●他者と一緒に振り返ることで
・自分とは異なる視点、価値観で一年の動きを見てもらうことができる。
・自分では気づかなかったモノゴトについての質問、指摘を受けることができる。
・結果、自分の強みや弱みに意識的になることができる。
 (一人で振り返ると、美化したり自分の都合のいいように解釈してしまいがち)
 (同様に、「来年はこうしよう!」というものが計画的というより、「スローガン」っぽくなってしまう)


振り返り(リフレクション)は個人でもプロジェクトでもワークショップでも行う価値のあるものですが、振り返りの仕方によって大きな収穫を得るチャンスがあるなぁと感じた次第です。


また、この振り返り会では以上のようなメリットの他に、いくつか面白い考え方や経験をしたので、箇条書きにしておくだけでは何だかわかりにくいかも知れませんが、そのうち別の記事にして考えてみたいと思います。

・バックグラウンドが異なる4人だったが、「人に教える」という点で共通点があり、
 使っている言葉は違っても、本質的な概念は同じということを経験した。
 これはとても有意義で、自分が今使っている言葉や方法を見直したり、
 ブラッシュアップするキッカケなり得る。

・英会話を学ぶ人をやり抜かせるために、内発タイプ外発タイプそれぞれの

 移行のさせ方とそのメリデメについての意見交換がおもしろかった。

・野菜づくりから、事業や議論の進め方のヒントを得たという体験談が、

 一人脱構築というか相転移に通じる気がした。

・アドバイスはそれを求めた人の考えを埋めてしまうが、

 質問はそれを求めた人の考えを呼び覚ます力があると思う。

・「探索的」という言葉を初めて知ったが、これはプロジェクトマネジメント、

 プロジェクトエディティングにおいて、とても重要なキーワードだ。


ちなみに私の2016年は振り返り会に参加されたみなさんから頂いた言葉を借りると、
探索的に起きた事象や出会った人々の関係を、持っていたコンテンツや方法でつなぎ合わせて、いくばくかの成果を得るという、点→線→面な動きになっておりましたので、2017年は点→線→面ときた動きを、立体的にしていくという一年にして参りたいと存じます。

関係諸氏のみなみなさまには、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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