4歳娘が再発明した「しりとり」

2015年の冬頃から、4歳娘が遊びにルールを設けるようになりました。

これまでの遊びは主に、娘の遊びを補助するような感じです。

ブランコを押す。
ゴーカートを一緒にこぐ。
絵本を読み聞かせる。
ブロックで遊ぶ、等々。

唯一、ルールっぽい遊びをしていたのはママゴトですが、これもルールというよりは娘の台本に合わせる、という感じで、「あれが、こうなったら、そうせよ」内容のものではありませんでしたので、遊びにルールを設定しようとする娘が非常に新鮮に感じられました。


ここで、どんなルールを設定していたか一例をご紹介しましょう。


この写真は公園の砂場にある飛び石です。
年頃の子どもがいるパパママであれば、これでどんな遊びをするか、だいたい想像がつくと思います。
娘がこの飛び石を見て、「パパあそぼう」と言った時、私の脳内にあったのは以下のルールでした。


ところが、娘が設定したルールはこうです。


このルールはあくまで一例で、その都度娘の気分でルールはコロコロ変わります。
まぁハチャメチャでルールとして成り立っておらず、いつも娘が飽きてしまいゲームとして成就したことがありません。

このように遊びにルールを設定しようとするのは、娘の遊びが「実践遊び」→「象徴遊び」→「ルールの遊び」と段階的に成長している証で、どのような体験や成長をして、このような事が可能になるのか興味は尽きませんが、ここで書いておきたい気づきは別にあります。


■娘が再発明したしりとりのルール

基本はめちゃくちゃな娘の遊びのルールですが、一つだけうまくいっているルールがあります。

まだ3歳だった頃、しりとりブームが起こり、しょっちゅうしりとりをしていましたが、4歳になったある日、

「ねぇパパ、“ん”でおわりじゃなくて、“ケーキ”って言ったら終わりにしようよ」

と新しいルールを設定しました。

ここでまず、通常のしりとりの手順、ルールをおさらいしましょう。
(※印はローカルルールがあると思いますが、手順を詳しく書くために表記したものです)
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【手順】
01 じゃんけん等で発話者を決める
02 二名以上で行う場合は、交互・順繰りに発話する

【ルール】
・最初の言葉は何でも良い ※
 (しりとりの“り”でも、目についたものでも何でもよい)
・最後の音に“ん”のつく単語を発すると負け
・一度使った言葉は二回使えない
・使えるのは「名詞だけ」など、使用不可な単語の種どを決める ※
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これが娘のルールだと、「負け」の条件がこうなります。
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・娘が指定する単語を発したらおしまい
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娘が「ケーキでおわろう」と指定すると、娘と私のどちらかが「ケーキ」と発することができるよう、“ケ”で終わる単語を見つけ、相手に“ケ”で始まる単語を言わせることがゴールになります。

このルールは通常のしりとりだと娘が答えられそうな単語を考えながら行うのに比べ、頭を使う部分が多く、実際に指定の単語で終了すると、二人で「イェーイ!」とハイタッチするといった、味わう気持ちが勝ち負けよりも二人で成し遂げた感じがして、とても気に入っています。


この娘のルールが教えてくれることは、「しりとりが終了するルール」を、

「“ん”がつく単語を発したら」

から、

「娘が指定する単語を発したら」

に変えることで、通常のしりとりを親子で楽しめるように再発明したということです。

「しりとりが終了するルール」だけではなく、「使用してはいけない言葉」や「◯◯しばり」のように特定のジャンルや属性の単語しか使えないといったルール、しりとる文字を一字ではなく二字にするルール(※フックブックローの「二字とり」を参照下さい)など、それぞれのルールをアレンジすることでも同様の効果が得られます。


■モジュールの入れ替え、組み換えで、ステキになるモノゴトが沢山ある

こう考えると、遊びに限らず、会議やルーチンワークの進め方、家事育児の段取り、イベントやワークショップの運営方法など、世の中にある「仕方・方法」は種々の要素(モジュールと言ってもいいでしょう)の組み合わせで成り立っており、その要素を入れ替えたり順序を組み替えたりすることで、現状のものをより楽しく、改善させることができるようになります。

つまらないルーチンワーク。
くだらない会議。
盛り上がらないワークショップ。
しんどい朝食づくりと登園作業。

ほんの少しのモジュールの変更、差替えでステキな体験に変わるなら、試してみない手はありません。

今年は新たなプロジェクトやセミナー&ワークショップを予定しているので、この気づきを実践してみようと思います。

以上、親バカが最前線からお伝えしました。

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