2016/02/29

テクストと動画の長所を活かした新しいフォーマットと、WriTuberという仕事について

2016年2月24日に、キロク学会の熊谷薫さんと『出張キロク学会:動画とテクストを使いこなすWriTuberになろう!!』というイベントを開催しました。


この翌々日には、宣伝会議で『Web動画の企画術』というテーマの講座を開催しました。

双方に通じるテーマは「テクストと動画」。

なんというか、昨今の「これからのコミュニケーションは全部動画化していく」とか、「動画はテクストや写真に比べ圧倒的に情報量が多いので、ユーザーへの訴求力が高い」とか、確たる根拠や深い考察なしに「動画バンザイ!」となっている風潮に違和感があります。

私は今『1Roll』という動画制作ソリューションのプロマネをしておりますが、昨年3月から半年で20回の動画制作ワークショップを行い、1Rollの顧客導入効果を見てきた中で、

「そんなに動画万能かよ」
「すべてを動画化するのは非合理的だし、非現実的」

という感想ばかりが去来します。

BtoB向け動画制作ソリューション『1Roll』

まず、「動画を作りたい」という方々は、「Webで使う動画」を作りたいのですが、たいていテレビで見るような動画を作りたがります。
『テレビで見るような動画』というのは、すべての情報を映像化しようとする動画のことです。
テレビはテレビ画面で全ての情報を伝える必要があるため、テロップやフリップ、様々な映像効果を駆使しているわけですが、Webとテレビの大きな違いは、テクストの存在意義ではないでしょうか。


いまだテクスト主体のWebにおいては、このテクストの長所を活かさない手はありません。

テクストには、編集の容易さ、ユーザーの調節性(読み返し、思索をめぐらしたり熟考したり、中断して調べたり、前の節に戻ったり、自らペースを統制できること)といった長所があります。
また、SEOを考慮すれば、重要なキーワードはテクストで作っておくべきでしょう(←ここが全てを動画化していくことが非合理的と感じる部分)。

次に、動画制作コストが下がったとはいえ、なんでもかんでも動画化すればいい訳じゃないと思うのは、「レシピ動画は絶対動画化した方がいい」と言う方が多いですが、料理作りに必要な情報の中でも、「火加減」や「混ぜ具合」といった情報は動画化した方がわかりやすいですが、「塩大さじ1杯」といった情報はわざわざ動画化する価値は低いです。テクストで十分です。

このような動画化価値のことを『MV²P(エム・ダボー・ブイ・ピー=Most Video Value Point)』と名付けましたが、私が一人で言っているだけなので、良かったら使って下さい。

動画化価値の高い情報とは、「静止画やテキストでは表現しきれない動画でしか伝わらないもの」のことですが、具体的に言うと下記のような特徴があります。

*形状、動き、シズル、目にわかる効果
*おいしい!気持ちいい!などの感想
*紹介者、生産者自身の言葉による商品説明

食べ物の湯気の動き、ジュエリーのキラキラ、健康器具の使い方、掃除機で綺麗になる床などは動画化価値が高いです。
人物が実感した味、感触、感想などを言葉や表情で表現することで感情に訴えたり、お勧めしたい気持ちを情熱的に、まじめに、キャラクター性をまじえて伝えることも動画化価値が高い情報です。


動画化価値の高い情報を見極めることができれば、テクストで伝えた方が良い情報はテクストで。動画で伝えた方が良い情報は動画で伝えることができるようになると思います。動画化する情報が少なければ、無駄に多いトランジションも、タイムラプス・スローモーション・画面分割・ストップモーションといった派手な映像効果をつけることも必要なくなるので、動画制作コストも求められるスキルも低くなります。


このようにテクストと動画の長所を活かしたコンテンツが制作できる人材を、『WriTuber(ライチューバー)』と仮称し、ライター・編集者・広報担当者といった方々と、動画プレスリリース、インタビューコンテンツ、ECの販促コンテンツ、htmlメールなどを作って、テクスト体験を妨げない、ユーザーにとって快適だったりCVRに寄与するフォーマットを日々勉強しております。

最近、様々な動画&テクストフォーマットが続々登場中
最近、メディアでライターというとクラウドソーシングで記事作成するといった、「1本の記事単価がたいへんにお安い」イメージがありますが、記事が書けてかつ動画も制作できるといった人材を増やすことで、より質の高いコンテンツ制作人材の排出につながれば・・・という想いもあります。


ちなみに出張キロク学会では以下のような動画を40分ほどで作りましたので、ご参考までにご覧下さい。


●イベントレポート動画


●会場となったFabcafe MTRLの紹介動画


●Fabcafe MTRLのスタッフインタビュー動画


テクストと動画を使ったコンテンツ制作に興味関心をお持ちの事業会社さん、制作会社さん、記者・編集者・広報担当者といったみなさんがいらっしゃいましたら、下記までお気軽にご連絡くださいませ。

takaho78@gmail.com