子供は何歳から「泣いた理由」を言えるの?

「何歳頃から記憶ある?(何歳ごろの出来事から覚えてる?)」という話を、誰しも一度ならずされた事があると思うのですが、今回はそういう話ではなく、

「子どもが出来事を回顧できるようになる時期」と「時間的限界」、
そして、「2つ以上の出来事を結びつける力」についてのエントリーです。


・・・既にこの時点で的確に言いたい事を言い表せていない気がするのですが、続けて書きます。

先週末、娘(1歳11か月)が夕食時に、お米もおかずも食べないで、食パンを食べると駄々をこねたため、食パンを取り上げたらおおいに泣きました。

これが18:30頃。

食後(19:30頃)、「ノンタンにんにんにこにこ」という絵本を読んでいた時。





「えーんえーん」と泣くページ(下記)で、娘が、




「みー(娘の名前)、泣いた」

と言いました。


「そうやなぁ、なんで泣いたん?」と尋ねると、

少し空中を見上げるような仕草をし、ワンテンポほど間をおいて、

「パンたべたかったから」と答えたのです。


この事をもってして、娘が自分が「泣いた」理由が、
パンを「たべたかったから」 という因果関係を言い表せたというのか、
1時間前の出来事を回顧できるようになったというのかはわからないのですが、
こういう一連の言葉を聞いたのが初めてだったものですから、
思わず洗面所にいた妻に、「聞いた!?」と呼びかけてしまいました。


この後、
「子供」「記憶」「因果」「心理」などのキーワードを色々組み合わせて検索したものの、
乳幼児がいつからこうした因果関係を言葉で表せるようになるかといった検索結果に辿りつく事ができませんでした。


ちなみに、
こうした子どもの因果関係を捉える力を養うと言われているのが、幼児期の物語体験なのだそうです。

以下、引用します。(引用元:http://brumaire.jp/2012/05/06/perceiving-causality/

童話や絵本には「繰り返し構造」を持つものが多いが、
『桃太郎』であれば、桃太郎が鬼が島へ向かう道中に

「《動物》に出会い→キビ団子をねだられ→団子をやって家来にする」

という一つのパッケージ(=小さな物語)が、《動物》のところにそれぞれ犬・猿・キジが入って三回反復される。
このような繰り返し構造を持つ物語は、反復のうちに幼児による予想が見られるようになる。

この例で言うならば「犬が団子をもらい家来になり、猿もまた団子をもらい家来になった」過程から、キジが登場した際には「キジも団子をもらい家来となるのだろう」という予測を生じさせることが可能となる。
すなわちここで培われるのは関係性の矢印を描く力であると言える。
現実において、事象の因果関係を捉えることが難解であっても、物語構造の中でなら比較的容易にそれを行える。

前回のエントリー(『絵本の読み聞かせを繰り返すことにうんざりしてる?』)で、絵本を繰り返し読むことについて書いたのですが、今回もう一つの意義を見つける事ができました。


ちなみにちなみに、
最近娘は自分が本棚から持ってきた絵本の種類やおおよその数を覚えているようで、
10冊持ってきたうち、私が全て読むのを面倒がって4冊ほど背後に隠すと、
6冊読み終えた時点で、持ってきたであろう絵本がない事に気づいて周りを探していたのですが、
次からはそういう事をしないようにしたいと思います。。

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