絵本の読み聞かせを繰り返すことにうんざりしてる?

絵本の読み聞かせは、子も親も大好きな行為だと思いますが、なぜかエンドレスに繰り返される、

「もっかい読んで」

に、しんどくなる時ってありませんか?

絵本の読み聞かせについて、数か月前の調査(2013.7.12)ですが、内容を読んで思わず苦笑いしてしまったので、書いておきます。

昨日、リセマム経由でメディケア生命保険による「子どもの絵本と教育に関する調査」を目にしました。


http://resemom.jp/article/2013/07/22/14478.html

調査の発表資料はこちら:
http://www.medicarelife.com/news/pdf/N256/file1.pdf


この調査のうち、「未来の絵本としてどのような絵本を購入してみたいと思うか」という設問に対し、以下のような結果が出たそうです。(全回答者:1,000 名)
(※以下引用)
最も多かっ たのは「読むたびにストーリーが変化するデジタル絵本」で 40.4%、以下、「効果音や音楽が流れるデジタル絵本」 35.9%、「絵本の中の絵を触ると動かせるデジタル絵本」34.7%、「物語の主人公を自分の子どもに変更できるデジタ ル絵本」33.6%が続きました。 これらの機能が備わった絵本があれば、さらにワクワクしながら絵本を楽しむことができるのかもしれません。
この解釈文を読んだ時、自分の体験とは違って、なんとなく違和感を覚えました。

子どもの年齢によって、ストーリーが変化する事の意義が変わるであろう事は承知の上で書くと、
少なくとも間もなく2歳になる娘にとっては、繰り返し同じ本を読むことの方が大切な気がしたのです。

というのも、最近娘は私が絵本を読み聞かせると、覚えている一節を先に読み上げたり、覚えている箇所を私のタイミングと合わせて一緒に読んだりするようになりました。

時にあんまり流暢に話すため、嬉しいというより驚いています。

その絵本はこれまで何度も読んできたものですから、繰り返し読むことが子どもにとっては大事なのだと感じたのです。
(記憶力の発達に良いとかいう効果効能については私にはわかりませんが)


で、今回の調査結果を見て、改めて繰り返し読むことの意義を調べてみると、以下のような記事を見つけました。

読み聞かせの影響 - 東京大学|大学院教育学研究科・教育学部
http://www.p.u-tokyo.ac.jp/lab/ichikawa/johoka/2008/Group3/yomikikase_eikyou5.html
(※以下引用)

繰り返し読み聞かせることの意味 一度読んだ本に関しては、二度目以降の読み聞かせでは子どもの反応が多くなること、自分の驚きや思ったこと、発見した点などを、自ら声に出して語り合うことが増えることがわかっています。 これは、子どもに自分で考える認知的な余裕ができたということを示しています。 長期にわたり繰り返し読んだ絵本に対して、子どもが同じ対話パターンを繰り返すことを楽しむことがあります。 その意味は、子どもなりにこだわりをもった場面について安定した対話パターンを楽しむことにあるといわれています。 繰り返し読むことは、大人からみると一見無駄や冗長に思われるかもしれません。しかし、子どもの求めに応じて繰り返すことそれ自体が、安定感を生み出し、対話することの楽しさや、絵本のおもしろさを確認し味わうといった読み聞かせの楽しさの一因を作り出していると考えられます。

冒頭、リリースを見て苦笑いした理由は、上記にある「繰り返し読むことが大人には冗長に思える」体験を私が何度もしてきて、だからこそ「読むたびにストーリーが変化するデジタル絵本」を求める気持ちがわかったからです。

一時期、娘は『こちょばこ こちょばこ』という本が大のお気に入りでした。


そして、私はこの本が苦手でした。

通常、一冊読み終えた後に、「もう一回」と娘がせがむ事はあまりなかったのですが、『こちょばこ こちょばこ』には最後にこんなページがあるのです。



・・・もっかい やって ?


このページを読み上げた瞬間、娘はかわいい指を一本立てて、

「もっかい、もっかい」と言うのです。

・・・断れません。

この「もっかいやって」はエンドレスで、私はその繰り返しに心底うんざりし、
そのため、わざとこのページをすっ飛ばして、「お・し・ま・い」と本を閉じていたのですが、
この時の体験が、今回の絵本に関するプレスリリースを見て思い出されたという次第です。


・・・繰り返しの読み聞かせに少々うんざりし始めている方々には、この「こちょばこ こちょばこ」シリーズは避けることを、ひそかにお勧めします。。

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