チョコと冷蔵庫と妻。

三連休前の金曜日。
妻と娘が寝静まったわが家に帰宅して冷蔵庫を開けると、タッパーの中に、黒っぽい表面の食べ物が入っていた。


妻が、私にバレンタインのチョコをつくってくれたのだ。
妻は土曜日に仕事があり、日曜と祝日は子どもと遊んだり家事をしたりで忙しい。前もって仕事を済ませたがる妻のことだ。一週間近く前につくりたくなる気持ちがわかる。私は冷蔵庫をやさしく閉じた。

三連休の最終日、家族四人で出かけた。この日の最高気温は7度。アスレチック遊具のある公園で遊び、帰宅してコーヒーを飲もうとした。コーヒーのお茶請けに、京都出張した際、お土産にして冷蔵庫に入れてあったわらび餅を食べようとした。すると妻があわてて、

「ちょっと待って!それより食べて欲しいものがあるの。」

と私を制止した。
冷蔵庫のそばに立つ私を横目に、妻が冷蔵庫から出したのは、チョコの入ったタッパーだった。

あぁ、そうか。
前もってチョコをつくったけど、やっぱり早く食べた方が良かったんだな。
平日は私の帰宅時間が遅い。どうせ食べるなら、一人で食べるよりも家族がいるところで食べた方がいい。

私はそんな妻をかわいらしいと。いとおしいと感じた。

「これ、食べていいの?」

と私は妻に聞いた。そんなわかりきっていることを妻に言わせるなど、私も意地の悪い男だ。

「うん・・・」

さぁ、私にその言葉を言っておくれ。


「こないだ八木橋で買ってきたケーキだよ。おいしかったから食べて。」


それは、隣町の熊谷市の誇り、八木橋百貨店に期間限定出店していた芋屋TATAのガトーショコラだった。買ったのは7月である。

冷凍保存していたものを、妻が平日休みの日におやつに食べたのだそうだ。


私はこれを2/13の23:13に書いている。
明日はバレンタインデーだ。

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