参加しているオンラインサロンをいかに活用して、プロジェクトを進めるか?

先日、私が参加しているSocial Design Salonで知り合った中里桃子さんにお会いしてきました。
中里さんは日本で唯一のオンラインサロン運営を専門とする株式会社女子マネ代表で、2018年7月には『人生が変わる「オンラインサロン」超活用術』を上梓されました。


「コミュニティ」或いは「ファン」という言葉は、使われる意味の範囲が非常に広いですが、ここ数年、らマス広告が効きづらくなってきた時代の新しいマーケティング手段や、ネットで影響力のある人のマネタイズ手段として活用されてきています。そして、そのコミュニティ運営に「オンラインサロン」モデルが使われています。

この流れに乗って、コミュニティをいかに立ち上げ、運営し、活用していくかといった書籍やネットの記事をよく見かけるようになりましたが、中里さんの書籍がユニークなのは、コミュニティを「運営」する主催者目線ではなく、コミュニティに「参加」する人の目線で書かれているところにあります。

コミュニティに参加している方はそれぞれに目的をお持ちだと思います。知識の獲得、スキルのレベルアップ、新規事業のユーザー獲得、起業ネタのブラッシュアップなどなど。しかし、こうした目的は、ただコミュニティに参加したからといって叶えられるものではありません。座して待っていても、情報がタイムラインを流れていくのを眺めているだけです。本書は何かしらの目的や課題をもってコミュニティに参加したものの、どう振る舞えばいいかわからない方に、多くのノウハウを与えてくれます。

私自身もSocial Design Salonに参加しているのには目的がありますが、加入後の数ヶ月間、それをどのように果たしていくかということについてはノウハウが何もなかったため、色々と試行錯誤をしてきました。
今回、中里さんの書籍を拝読し、そこで書かれている内容を、拙著『予定通り進まないプロジェクトの進め方』で提唱している『プ譜』で構造化することで、今後のコミュニティでの私の動きを整理してみることにしました。(※プ譜についての詳しい説明はこちらの記事をご覧下さい)



プ譜をご覧頂く前に、本書で紹介されているオンラインサロンを使いこなすために、私が重要と感じたものをいくつかご紹介します。


  • 自己開示をして絡みやすい人になる。
  • 嫌われない人になり、相手に好感を持たせる。
  • 周りの人との『信頼』を貯める。
  • 相手と交換できるものを見つける。
  • オンラインサロンに役立つ一芸を磨く。
  • 与えられる役割ではなく、自ら役割をつくりだして(サロンに)貢献する。
  • 発信する力、循環する力、変化させる力を発揮して、サロン内での影響力を高める。
  • サロン内で新しい活動を立ち上げる。
  • コミュニティ内でのお手伝いを行う(イベントの受付、会場手配、レポート作成など)。
  • 活動をブログに書く。


これらの項目は、書籍で詳しく解説されていますが、私が体当たりでやってきたコミュニティ内での活動を整理し、プ譜を書く上での中間目的や施策を考える指針になりました。


それでは、私がSocial Design Salonを活用して自分の目標を実現させていくために書いたプ譜をご覧下さい。

拡大してご覧下さい


このプ譜の獲得目標(プロジェクトのゴール)は、中里さんの署名にあやかり、「Social Design Salonを使いこなす」としました。
私には、世の中で立ち上がり、進んでいる様々なプロジェクトを将棋の棋譜のように記録して、プロジェクトに携わる人々の参照物をつくりたいという目標があります。(これを「アーカイプ」と呼んでいます。繰り返します、「アーカイプ」です。)

この目標を実現するための一つの方法として、私はSocial Design Salonに参加しています。これがプ譜の右端にある「勝利条件」にあたります。勝利条件とは、「どうなっていればそのプロジェクトの目標が成功と言えるのか」を判断するための基準となるものです。

Social Design Salonに参加した理由は、Social Design Salonには、実験機器のシェアリングビジネス、インサイドセールス特化型クラウドソーシング、IoTを活用した次世代照明、注文住宅のプラットフォーム、障がい者雇用促進、文字を読み上げてくれる眼鏡など、様々な事業・プロジェクトを行っている人々が数多く集まっており、そうした方々と交流することで、みなさんが進めているプロジェクトのプ譜をつくることができるのではないかと考えた訳です。

この勝利条件を果たすために設定するのが「中間目的」です。中間目的には、中里さんの書籍で書かれており、上述した私が大事に感じた項目を選んで書いています。
そして、個々の中間目的を果たすための諸施策があります。

サロン加入後、私が行った施策はリアルイベントの提案でした。

Social Design Salonでは定期的にリアルイベントを行っていることを知った私は、私自身も勉強会の企画をする立場にあり、イベントの企画やゲストのアサイン等を行う手間を感じていることから、サロンオーナーの長沼さんに、私自身がスピーカーとなり、サロンメンバーのみなさんのプロジェクトをプ譜化し、みなさんのプロジェクトが進むノウハウを提供する勉強会を提案しました。

私がラッキーだったのは、勝利条件である「プ譜をつくること」と、私がサロンに提供できるコンテンツ(貢献できるもの)が一致していたことです。この時は長沼さんのご好意で、リアルイベントを開催させて頂きました。(リンク先の記事の写真が、イベント開催時のものです)

その後、この勉強会の振り返りを長沼さんと行わせて頂いたとき、定期的にサロンメンバーのみなさんのプロジェクトをプ譜化することを提案させて頂きました。
長沼さんからはSocial Design Salonで行っている「SDS FuturePresentation」というWeb会議室システム「Zoom」を使用したオンラインプレゼンイベントで、プレゼンをされるスピーカーの方のプロジェクトをプ譜化することをご提案頂きました。
FuturePresentationでは、スピーカーのプレゼン後、プレゼンを聴いたメンバーが小グループに分かれてディスカッションを行うのですが、このディスカッションの材料にプ譜を使ってはどうかというご提案だったのです。

Social Design Salonは全国各地にメンバーがいらっしゃいます。このときプレゼンをされる予定の方が鳥取県在住で、これまでプ譜をつくるときは常に対面で行っていたため、オンラインでのプ譜作成に不安が少しありましたが、この提案を受けさせて頂きました。
中里さんの書籍で大事に感じたことの一つに、「オンラインサロンに役立つ一芸を磨く」という項目がありますが、今思えば、自分がそのときに有している芸は、そのままサロンに役立つわけではなく、サロンの趣旨、方向性などに合わせてアレンジをしたり、少し背伸びをしてレベルを上げる必要があると思います。
(言い方を変えれば、自分のスキルをレベルアップさせてくれるチャンスが、オンラインサロンにはあります)

このように書くと、とても順調にサロン内で活動できているように見られるかも知れませんが、 FuturePresentationではせっかくプ譜を作成するも、私のPCのマイクが不調でディスカッションに参加できず、せっかくプ譜について紹介する時間を設けて頂いたのに、その機会をフイにするという失態を犯してしまいました。
こういうことをしていては中間目的である「周りの人からの信頼を貯める」どころか、信頼を失いかねないため、オンラインサロンに参加される時は事前に機器のテストや使用に慣れておくことをお勧め致します(当たり前や)。

私はSocial Design Salonに参加してまだ数ヶ月ですが、今回幸いにして中里さんの書籍を知り、オンラインサロンを活用するためのノウハウに触れることができました。ここで書かれていることを実践してみて、折をみて中里さんに報告してみたいと考えています。
(本書によれば、これもオンラインサロンを活用するための大事なポイントです)

本書はオンラインサロンに参加される方はもちろん、オンラインサロン・コミュニティを運営している方にとっても、参加者の方がどのような気持ちで、又はどのような課題や目的を抱えて参加しているかを知り、どう対処すればうまくいくかといったアイデアを得ることのできる一冊だと思います。

ご興味を持って頂ければ、ぜひご一読ください。


また、プ譜についてもご興味を持って頂けるようでしたら、こちらもお手に取って頂ければ幸いです。

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