アーネの、かけっこで一番になるさくせん

昨年秋、アーネの転園先の保育園で、転園後初めてとなる運動会がありました。
アーネは同学年の子どもに比べ、身体が大きいのですが、それが影響しているのか、かけっこは早い方です。

そのアーネが、転園先の保育園でかけっこの練習をすると、4人中いつも3番か4番になってしまう。子どもはいったい何がどのようになって、こう言うのかわかりませんが、妻が、

「アーネがバカだから、かけっこがおそくなっちゃう」

といった、自分を卑下するようなことを口にしている、と教えてくれました。

バカという言葉をどういう意味で使っているのかにもよりますが、「かけっこが遅いのは、アーネがバカだからじゃないぞ」、と言おうと思いながら、直接言いそびれて運動会を迎えてしまいました。

当日、アーネのかけっこの順番が来て、3番か4番だったら、この時こそ、このセリフを言おうと準備しておりましたが、結果は予想に反して一番でした。

走っているコースも、子どもも同じです。
瞬足を履いたわけでもありません。
条件は変わりません。
(ひょっとしたら、一緒に走る子どもの調子が悪かったかも知れない)

運動会終了後に行ったスシローで、アーネに「なんで、いつも3番か4番って言っていたのに、今日は1番になれたのか」と聞いてみました。するとアーネは、

「まがるところに、いちばんさきにいったら、かてるとおもった」

と答えました。

ことの背景を説明しますと、転園前の保育園のかけっこでは、アーネは一直線のコースしか走ったことがありませんでした。
それが転園先では、トラックのコースに変わりました。そして、アーネのスタート位置は常にトラックの1番外側だったそうです。


残念ながら、「スタートする位置が外側だから、トラックの外側を走らなければいけない」と思っていたのか。それを先生にたずねてみたのかといったことはを確認し忘れてしまいました。
ただ、アーネが運動会本番で、外側からスタートし、一番先にカーブの曲がり角に入れば勝てるかも知れないと考え、それを実行したということに、親バカな私は感動し、プロマネとしての私は感心したのです。

うまくいかない状況に対して、
対策を講じ、
実行してみる。
そして、改善や期待した結果を得る。

現実はそう思い通りには進みません。(そして、それがプロジェクトというものです。)

ちなみに、アーネと私は、ママに内緒で「おうちで簡単チョコバナナ」をつくるとき、いかに材料を見つからないところに隠すかとか、アーネに張りあおうとして、同じ数のイチゴを食べようとするジージョの気を逸らすとかいうことをする際に、「さくせん」を立てます。

プロジェクトを進めていくための一連の行為を回し、「まがるところに、いちばんさきにはいるさくせん」を立てたアーネに、私は小さなプロジェクトマネージャーとしての姿をみたのです。

以上、親バカが最前線からお伝えしました。

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