3回目の営業であなたが言うべきセリフ

BtoBの世界にもインターネットが活用されるようになって、やみくもなテレアポや突撃営業を行うことは減ってきた。
見込客自ら検索をした時に、自社サイトに訪れてもらうSEO対策。
役に立つであろうハウツーや事例などを記事にして見込客を獲得していくコンテンツマーケティング。
展示会や資料請求などで獲得したメールアドレスに対し、上記のコンテンツを配信していくメールマーケティング。
このような施策を通じて、見込客の購買意欲やリテラシーを高め、営業が見込客に足を運ぶのは、十分に機が熟したタイミングだけで良いようになってきた。

だがやむを得ず、同じ会社に3回営業に行くことになったとしたら、あなたはどんな気持ちで見込客に相対するだろうか?


こんなケースを想定してみてほしい。

初回訪問時は、とあるビジネス交流会で出会った見込客企業の執行役員に呼ばれ、自社サービスを説明。
あなたの会社のサービスをぜひ導入したい。ついては社長プレを行ってくれと言われたあなたは2回目の訪問をすることに。
しかし残念ながら同社の社長は別件で参加できなくなり、同社長付の経営企画室長にサービスを紹介。
その後、同室長から再度社長プレゼンを依頼されたあなたは、3回目の訪問営業に向かっている途上だ。

室長から、社長にはある程度概要を話していると聞いているが、イチからサービス概要や事例を紹介することになるだろう。
その社長が即断即決の主ならば良いが、プレゼン後、現場担当者によく吟味して実行するように、といった反応だと、4回目以降の訪問を行わなければいけなくなるかも知れない。

そうなればなったでメール対応に切り替えてもいいのだが、そんな迂遠なことをするあなたではないだろう。
この一回で仕留めるべきだ。


――そして社長プレゼンが終わった。
彼はあなたのサービスに対して確かな興味を抱いているが、側近たちがこの場での決裁をためらっている様子が窺える。
このままでは決裁のタイミングを逃してしまう。

この時、あなたはこう言うべきだ。


「諸葛孔明でも4回目は呼びませんよ」


この一言で、社長の目の色が変わる。
かの名軍師、深謀遠慮の人、諸葛亮孔明になぞらえられた彼は、
「え?三回も来てくれたのかい?」とあなたに訊ね、
「よし!やろう!」とすぐさま側近たちに契約書の準備指示を出し始めた。


――いかがだろうか?
歴史上の英傑に自らをなぞらえられつつ、孔明が三度目の来訪時に仕官を劉備への決めた故事に想いを馳せ、その場での決断を促す。
価格だけで勝負する凡百の見積よりも、時に言葉は万の価値を持つ。
だが、使い方にも注意が必要だ。先の言葉を「劉備玄徳でも4回目は来ませんよ」と言ってしまったらどうなるだろう?
あなた自身を劉備になぞらえてしまっては思い上がりもはなはだしい。

あなたが自らの言葉を磨き上げ、今日も営業に勝利することを願っている。


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