子供はぜんぜん素直じゃないし、それでいいと思う話

育児というのは、自分の思い込みやこだわりが覆されたり通用しなかったりで、恥ずかしい思いや公開を繰り返し経験するものだと実感する日々ですが、パパママのみなさんお元気ですか?

恥ずかしながら、私は幼児というのはとても単純で、楽しいことは楽しく、怒りたかったら怒るといった、気の向くままに感情を露わにすしたり、行動に出したりするものだと思っていたのですが、その思い込みを3歳をむかえた娘に鮮やかに覆され、また考えさせられた経験をしたので、メモっておこうと思います。


この冬から春にかけて3つの印象的なエピソードがありました。

一つ目は、保育参観に参加した時のこと。
二つ目は、遅れて保育園へお迎えに行った時のこと。
三つ目は、娘と義母と私が遊んでいた時のことです。


■お友達を抱っこする私をじーっと無言で見ていた娘

保育参観は通常の保育活動に保護者が参加して、日ごろの様子を体験できるものです。
この日私は園児に交じって、娘と手をつないでみんなと一緒に散歩に行き、どんぐりやダンゴムシを拾い、遊具であそばせてもらいました。
遊具であそび保育園に帰ろうと、先生と園児が集合場所に座って点呼しようとした時、ある園児が一人だけ遊具に残っており、周りに先生もいなかったため、私がその園児を抱きかかえて集合場所に向かいました。
すると、その集合場所で娘が膝をかかえて他の園児を抱っこしている私をじーっと見ていたのです。
「あ、これはなんかあかんな」
と思った私は、そこで園児をおろし手をつないで集合場所に戻りました。
その後、娘はこの事について何も言わず反応も示さないでいましたが、この保育参観からちょうど一か月がたった休日に、私と娘がブロック遊びをしていると、

「パパ、もう●●ちゃん(園児の名前)抱っこしないでね」

と、唐突に言ったのです。
それを聞いて、●●ちゃんを抱っこしたのは、一人遊具に残っていて危なかったから。パパが一番抱っこしたい相手はお前なのだという話をし、「わかった~?」とぎゅっと抱っこしたところ、娘は笑ってそれきりその話をしなくなりました。


■誰もいなくなってから「おそいよ~!」といった娘

二つ目のエピソードは保育園へ遅れて迎えに行った時のこと。
私は週に1回娘を迎えに行くのですが、ある晩迎えに行くのが定時から10分ほど遅れました。
保育園で夕食がわりのおやつを申し込んでいる園児は教室にいられるのですが、それを申し込んでいないと教室から出て保育園の事務室で待つほかなく、娘が先生と二人で事務室の椅子に腰かけて待っていたのです。
遅れてすみません、娘ごめんねと言って事務所に入ると、先生が「パパきてくれたね~」と娘に声をかけ、娘は「うん」とうなずきながら部屋を出て、保育園を後にしました。
その直後に、「パパおそいよ~!」と顔はわらいながら文句を言ったのです。
それが娘に申し訳なく、いつもなら歩かせる帰り道を「抱っこしよか」と誘うと、
「えぇ~なんで~」とはにかみながら拒むので、強引に抱っこすると喜んで抱っこされました。


この二つ目の体験をしてほどなく、義母が遊びにきてくれた日がありました。
その時、私と義母がなにかの話で盛り上がっていると、それまで一人機嫌よくおもちゃで遊んでいた娘が
「おもちゃがたりな~い!」
「すくな~い!」
と言って急に遊ばなくなりました。
この時、上述のお迎えの娘の態度がよほど私には印象的だったのか、「これは、私にかまえのサインだな」と思い、話を切り上げて一緒に遊ぶことにしました。


■子供はぜんぜん素直じゃない

私たち親や大人は、無意識的に幼児、子供は素直な生き物であると思い込んではいないでしょうか。
ここでいう素直とは、スイッチを押せばその感情が素のまま出てくるような、幼児の純粋さ、単純さのようなものを指して使いますが、この三つのエピソードから私が学んだことは、2歳や3歳といった幼児なんてのは、照れ隠しもすれば、本心ではないことをわざと言ったり、その時の気持ちを押し黙ったりすることがあり、そんな単純な生き物ではないという事です。

ベースは素直で単純ではありますが、2歳児、3歳児であっても、子供の話すことが本当にその話していることそのものを言っているのか汲み取らなければいけないシーンが出てきます。
そこで子供の本心を汲み取ってあげられない事が続くと、親は子のことが理解できず、子は親を信頼できなくなってしまうかもしれません。
世の中、子供は素直である、私(親)に言うことは真実であると思い込んでいると、大げさですが家庭崩壊などの遠因になったりするのかなぁと思います。

子供といえどもなめたらあかんもので、ちゃんと応対せなあかんなぁと思った次第であります。

以上、親バカが最前線からお伝えしました。

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