年頃になった娘から嫌われないために ~父子間のコミュニケーションを豊かにするワークショップ体験

子どもが、子ども、大人、社会、自然とコミュニケーションする力を育むための機会、ツール提供を目的に、コドモノガタリが運営するワークショッププロジェクト「プリズム」が、
パパコミュさんと企画運営した『親子で「世界に一本だけの傘」をつくろう!☆☆』を8月19日に開催しました。
このワークショップを通じて学んだこと、感じたことを、大きく2つの視点からブログにまとめました。

(1)父と娘のコミュニケーションについて
(2)子どものモノへの愛着について


本記事では、(1)の父と娘のコミュニケーションについて考えさせられることがありましたので、
ワークショップの制作物や制作過程の紹介と合わせてご覧下さい。


■父と子のコミュニケーションを豊かにすることが目的

本ワークショップ(以下WS)をパパコミュさんと実施するにあたり、最も重視したのが、
本WSを体験してもらう過程及び家に帰ってからの、“父と子のコミュニケーションを促進、豊か”にすることでした。

これは、元来パパコミュさんが「子どもに対して豊かな学習環境を提供すること」を活動趣旨の一つにされており、そのためには父と子のコミュニケーションがしっかり取れている必要があるという考えをお持ちであることから、WSの目的としました。


■パパと協力して世界に1本だけの傘をつくる


WSの内容は、アーティストの小中大地さんが描くゴブリンという絵を参考に、
子どもの名前の頭文字のつくモノゴトから想像するゴブリンを市販のビニール傘に描いていくというもの。

具体的な制作過程をご覧頂きましょう。

1.小中さんがお手本ゴブリンを描く。

参加者のお子さんの名前の頭文字から、連想するゴブリンを傘に2体描きます。
(※ゴブリンは、小中さんの作品のメインキャラクターともいうべき存在で、事物を生き物として捉え、その化身をゴブリンと称し、様々な作品を作っていらっしゃいます)

写真は「ちきゅうブリン」と「ちくわゴブリン」

 ちえこちゃんなら、「」のつく事物のゴブリンを描いていく訳です。


2.自分の名前の頭文字がつく事物を辞書で探す




自分の名前の頭文字にはど存在するコトバを探し出して、そのコトバが持つ意味からゴブリンの姿を連想して描いていきます。

「か」からは「階段ゴブリン」
「み」からは「みそ汁ゴブリン」や「ミキサーゴブリン」
「ち」からは「ちょきゴブリン」や「茶碗蒸しゴブリン」
「す」からは「スーツケースゴブリン」など、実にユニークなゴブリンが生まれました。


使用するのは国語辞典ででイラストがほとんどないため、ここでパパがいかにその事物の特徴を分かりやすく伝えて描きやすくしてあげたり、下書きのお手伝いをしてあげられるかがポイントでした。


■いつまで娘と仲むつまじくお出かけしたり、遊んだりできるだろう?

ちなみに、本WSの参加者は1組を除いて全て「父と娘」の組み合わせでした。

世間一般的には、父は遅かれ早かれ娘から「ださい」だの「うざい」だの、果ては「くさい」だの疎んじられるそうで、
声をかけてもらったと思ったら、お小遣いやプレゼントのおねだりという悲しい事例ばかり。。。
かくいう私も9ヶ月の娘がおりますが、いつそんな日が訪れるかと思うと、悲しくてやりきれなくなります。

手塩に育て、幼い頃は「パパと結婚する~」なんて言ってくれる娘に嫌われるなど、こんな理不尽なことがあっていいのでしょうか?

そんな父娘関係にならないための処方箋は存在しないのでしょうか?


■父子間のコミュニケーションを必要とする体験の積み重ねが、娘から嫌われなくなる秘訣?


WS中に、そんなことを妄想して絶望的な気分になっていた私の目に飛び込んできたのは、
お互いが納得するコトバを辞書で選んでいく過程や、パパが傘を手で押さえて子どもが書きやすいように手伝う姿でした。





その時、私は思ったのです。

平日、娘と話したり遊んだりすることができないため、ささやかな罪滅ぼしとして娘の欲しがっているモノを買い与えることよりも、
この日のWSのような、父子コミュニケーションが必要な体験を重ねることが、娘が大人になってからも良好な父子関係を保ち続けることができるのではないかと。
(つまり、モノを買い与えたとしても、それで父子コミュニケーションが取れるのならいいのだと思うのです)


・・・と、ここまで書きましたが、私の娘はまだ9ヶ月。
この気づきをこれからの娘との関係づくりにおいて実践し、はたして効果があったのかどうかは、
あと十数年待たねばなりません。

こうした切実な父娘関係にお悩みの先輩パパがいらっしゃいましたら、第2回目の(あるかも知れない)WSや類似イベントなどにご参加頂き、ぜひご感想、ご体験談、成功事例をお聞かせ下さい。

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